第12話

十二
517
2023/10/11 22:44
よお。

と言いたいが、それはしばらく休みになると思う。
何故って?












敦達、武装探偵社が指名手配犯になったからだよ。

ちなみに情報源は嵌められたと連絡を私にした敦からである。













最初に、ルーシーちゃんと銀達、鈴木さん達に連絡した。
敦達、探偵社達がヘマをこなした。
お前達が巻き添えにならないよう、無罪だーとか、騒ぎ立てるなよ。もし、立てる奴がいたら、止めろ。
ルーシー
分かってるわよ。
(ショウが電話をしてなかったらしてたわ・・・。)


気をつけてよ。
皆も無実を晴らせるように祈っている。翔君と兄さんはそのために動くから、私たちに連絡したでしょ?

気をつけてね。

生きて、敦君達と帰って来てね。
織田作
分かった。子供達にもそう云っておく。

お前達は強いから大丈夫だと思うが、気をつけて行ってくれ。
とそれぞれ、励ましの言葉をくれた。






携帯などの持ち物や通帳などの重要な物も家に置いて行き、



簡単に判明、目を付けられない(ドストエフスキーに)、尾けられないように複雑な方法で訪れ、途中で芥川と合流し、最後に私独自で作った道を駆け、
漸く、情報屋阿蘇蘭のアジトに辿り着いた。


アジトの隠しカメラで誰かに侵入されていないか確認をしてから、芥川にアジトの案内を簡単にし、一室に通して、お互い席に着く。
芥川。

皆から励ましの言葉をもらった。
芥川
なら、尚更、失敗出来ぬな。
だな。


却説。
私も芥川も真剣な顔になる。(芥川は変わらず無表情)

お前、どこまで聞いている?
私が聞いたのは逆行前のことだった。

コイツらから敦が指名手配された時は大変だったと話されたの覚えていた。



芥川
コレは天人五衰が起こしたものである。そして、《本》の力も働いている。
探偵社が標的となったのは?
芥川
ドストエフスキーは天人五衰の1人だ。ドストエフスキーの計らいでヨコハマから異能者を消し去ろうとしている。
!ポートマフィアも潰すつもりか。
芥川
然り。
芥川
主犯格は天人五衰だが、政治家も関わっている。
黒幕は《天人五衰》の創設者“神威”だ。
目的は国家の滅亡だ。
神威の正体って、《猟犬》の福地桜痴だったな。
芥川
然り。
福地の本性と正体に関しては、過去を探れと前に依頼され、チラリと福地の記憶を見たことで知った。

因みにその依頼をした奴は既に福田の手によって、この世から葬り去られているため、本性についての情報は流出していない。
芥川
その目的をなす為の鍵となるのは、天人五衰の1人であるブラムと災厄兵器『大指令ワンオーダー』。
防ぐにはこの二つを奪わねばならない。もし、発動したとしても、太宰さんの人間失格をプラムにする必要がある。若しくは、ブラムから聖剣を抜く必要がある。
芥川が此処まで話したの初めてだな。




って、現実逃避して場合じゃねぇぇえ!!!!
ちょっ、一寸待って。

大指令ワンオーダー』!?!?!?
それが発動って、相当な事だぞ!?
アレ大指令が発動すると云うことは、世界的に危機状態に陥る時にしか使われない物だ。
それが発動したって、探偵社が指名手配になった件からどれだけことが大きくなったのやら。
芥川
世界中のあちこちでブラムの眷属がウイルスと同じよう、凄まじい勢いで広がっていったからな。
え。




ブラムって、真逆、『不死公主』と云う、十の厄災の一柱の吸血鬼のことか?
芥川
然り。
うっっっっそだろ!?!?!?!?
ブラムの異能ーー吸血種ドラキュリアは噛んだ人間を支配でき、意のままに操ることができる。
この異能の厄介な点は、噛まれた人が他の人間を噛むことで感染を拡大、急速に支配する人間を増やすことができることだ。

私はそれを知っていたため、悲鳴を上げた。

早く銀達にこの事を伝えないと・・・・。
芥川
序でに、最初に噛まれたのはやつがれだ。
オォイ!?!?!?
私は思わず、突っ込んだが、芥川は無視し、続けた。
芥川
この事の一番手っ取り早い解決法は福地桜痴を殺し、《本》の頁を奪い、探偵社は無実だと記したことだが、その方法は一番厄介だ。
何故なら、福地桜痴には神刀『雨御前』を所有している。その刀は空間を渡る物だが、福地桜痴の異能によって、過去にまで飛ぶことができるようになっている。
雨御前んんん!?!?!?!?
福地桜痴の異能って、武器の性能を100倍にするものだろ!?!?!?
雨御前を持たせてはダメな奴ぅぅうう!!!!!!!



次から次へと告げられる情報爆弾に私の頭は既にショート寸前だった。

机に突っ伏した私に芥川は言葉を投げかけた。
芥川
逆行前の時は解決したが、お前と云う異分子がいるからこそ、どうなるかは分からない。共喰いの時も前の時とはズレがあった。
僕が話せるのは此処までだ。後は自力で動くしかない。
ああ、そうだな。
敦からも云っていた。前の時と異なる点が出て来ている。
芥川
僕らは探偵社に身内がいる。おそらく、向こうには既に顔が割れている。事が終わるまでは、こちらで動いた方がよさそうだ。
だな。

徹底的に隠しといてよかったよ。





ドストエフスキーにはバレてないと良いのだけど・・・・。(ボソッ)
芥川
あの魔人のこととなると、どうしても不安となるな・・・。
沈黙



魔人ドストエフスキーは太宰さんと同じく、化け物並に頭が回る。
その頭脳は未来予知を持ってんのかと文句を言いたくなるほどの予測をすることができる。

いつも、このアジトにいる時や通う時も痕跡、目撃者などをしっっっっっかり確認するのも、此処を特定されんのを危惧してのことだった。

また、依頼をたまに辞退していたのも、
口の固い人限定に依頼を受けていたのも、
プライベート、仕事用を住まい、財産、ネットを別々にしていたのも、
中島翔阿蘇蘭を同一だとバレないようにするためだ。


それだけ、やってて尚、バレないかと恐れるほど、ドストエフスキーの頭脳は計り知れないのだ。
まぁ、それはともかく!!

芥川は天人五衰の一人、シグマと云うやつに奴らの計画の詳細を聞き出しておけ。
後、お前の異能が羅生門だと云う事をバレないようにして呉れ。道具はこちらが用意する。

私は政治家と福地の足となっている奴等を探る。
芥川
承知。
よし。じゃあ、早速動くか。道具の一式を用意するから、選んで持ってけ。
芥川を道具がある部屋に連れて行く。

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