第8話

八  二人の夜叉
567
2023/10/08 13:04
Hi!!!!!!!!!!!
私の名前は中島翔でっす!!!!!


さぁ!私は今、どこにいるのでしょうか!?

まあ、ただの公園だから、なんとも言えないんだけどね!!!!!

ただーーーーし!!!!!!!!!!
あ。
あ。
芥川
ん?
和服の少女を伴った敦と会った。

此処で察しているのでしょう。
敦と一緒にいる着物の少女ーー泉鏡花ちゃんである!!!!!!

友人曰く、鏡花ちゃんと出会ったのは原作開始の後だったはずだ。
友人
ああああああああああ!!!!!!!!敦君と鏡花ちゃん可愛いいいいいいいい!!!!!!!!!!ルーシーちゃんとも良いけど、共闘とか萌えるぅぅぅううううう!!!!!!!
以下略
まあ、そんなわけで、友人から凄く語られたため、泉鏡花の方も詳しいのである。

今世の情報屋で更に詳しくなったけどな。
その子が引き取ったという女の子か?
うん。そうだよ。
鏡花
私の名は鏡花。
好きなものは兎と豆腐。
嫌いなものは犬と雷。
おお。紹介してくれた。なら、此方も紹介するよ。

私は中島翔。
敦とは双子の兄弟だよ。
好きなものは甘いものとお米。
嫌いなものは特に無しだな。
屈んで、目線を合わせ、自己紹介をした。
鏡花
宜しく。
宜し、
視線

それも複数の。







屈んでいたのを戻す。
芥川。
芥川
分かっている。
芥川を呼びかける。返事も返ってきた。
問題ない。
翔。10人以上いる。
敦も気づいたのか、そう知らせてきた。
鏡花
?何が
ヴーーー!! ヴーーー!!
芥川
!電話!?
鏡花ちゃんの電話が鳴り出した。

が、それはすぐに止み、代わりに聞こえたのは、女性の声だった。
ーーー
夜叉白雪よ。
鏡花に近寄り、嘘の世界を教える者に

罰を与えよ。
ギャリィンッ!!


敦の伸ばした爪が刀と衝突し、不快な音を立てる。
鏡花ちゃん!!電話の心当たりは!?
鏡花
な、無い!分からない!
紅葉
おや、残念じゃのう。さっきので仕留める手筈じゃったが。
女性が現れた。上物の着物を纏い、紅い和傘を差している。
そんな美しい女性はただ者じゃない気配をしていた。
その手には電話を持っていた。そのことから、鏡花ちゃんの電話にかけたのはこの女性なのだろう。
芥川
鏡花


何故、貴女が、電話を。
ザッ

鏡花ちゃんを敦の後ろに下がらせ、私と芥川は2人の前に立つ。
紅葉
嗚呼。愛しの鏡花や。
鏡花ちゃん!この人は!?
鏡花
あ、嗚呼・・・。
落ち着いて。
震える鏡花ちゃんを宥める敦を見遣り、目の前の女性に集中する。
芥川
その気配。そして、鏡花はポートマフィアの暗殺者。もしや、ポートマフィアの幹部である尾崎紅葉か?
(かなりの強者だ。鏡花はポートマフィアの暗殺者で彼奴ーー幹部である尾崎紅葉の元部下だ。)
じゃあ、鏡花ちゃんを連れ戻しにきたのか?アレだけ親しいなら、始末をしに来たとは思えない。
(OK。鏡花ちゃんを殺す気がないなら、敦を側にいさせても問題ないな。)
相手に悟らせないよう、遠回しに云いながら話す。
長年の付き合いだからこそ出来ることだ。
まあ、内容に関しては、情報屋として、知っているものばかりだったけど。
紅葉
そうじゃよ。
私がどれほどそなたを案じ、胸を痛めたことか。
このような、獣畜生共の下にそなたを残す事になって。
じゃが、私が扶けに来た。もう心配はいらぬぞ。
獣畜生共・・・・。

鏡花ちゃん。マフィアの処に戻りたいと思ってる?
鏡花
・・・嫌。

私は明るい世界を見た。
知らなかった頃にはもう戻れない。
紅葉
・・・・恨むぞ。小僧共。
あの子は光に目が眩んでおる。
貴様らが見せた光じゃ。
いや、私達、今、出会いたてなんだけど。
芥川
貴様少し黙れ。
ゴッ!!

芥川がシリアスな雰囲気をぶち壊す発言をした私を黙らせた。(物理的に)
滅茶苦茶痛かった。
紅葉
ふむ?なら、鏡花の側にいる探偵社の小僧の仕業かの?
この人、探偵社と言っちゃったよ。敦のこと知ってんじゃん。なら、私達とは無関係だと知っているはずなんだけど。
紅葉
じゃが、小僧とは近わしい者。なら、其方も殺さなくてはな。
逃がしてくれなさそうだな。
紅葉
前の小僧の2人は一般人じゃろ?幹部である私にどう立ち向かうかの?
確かに私達は一般人だ。









異能力持ち ・ ・  ・ ・ ・のな!
芥川
【羅生門】
芥川が異能力を展開する。
紅葉
女性は異能力を出した。


アレが、ポートマフィアの幹部である尾崎紅葉の異能力【金色夜叉】か。


森鴎外への脅し道具として、調べといてよかった。
芥川!!
翔!!鏡花ちゃんを!!
後ろから敦に呼びかけられる。
敦と替わり、鏡花ちゃんの側に下がる。
芥川
虎。僕が夜叉をやる。
分かった!
敦は筋肉、外見を変えず、骨を虎化するという細かい操作ができるようになっており、今も1秒もかからず、虎化した。

芥川は夜叉を抑え、敦は尾崎の相手をしていた。
紅葉
フン。なかなかやるようじゃな。
武装探偵社の人に鍛えて貰っているものでね!
紅葉
じゃが、来たのは私だけではないぞ?
私の周りには黒服のポートマフィアの者達に囲まれていた。

敦は私を見遣ったが、それは一瞬だけで直ぐに尾崎のところに行った。
紅葉
おや?扶けに行かぬのか?
問題ない。だって、翔は強いんだもの。
敦はそう自信満々に言った。

尾崎はそのことに顔を顰め、私の方へ目を向けた。

一方、私は何をしていたかというと。
鏡花ちゃん。平気か?
鏡花
大丈夫。
私は鏡花ちゃんを左腕で持ち、右腕だけで黒服の人達をちぎっては投げちぎっては投げをしていた。どんどんと倒れている黒服の人達が増えていく。
其の動中にチラリと尾崎の方を見た。

鏡花ちゃんを溺愛している保護者セコム兼モンペである尾崎紅葉はすごい顔で睨んできていた。



十中八九、鏡花ちゃんを抱っこしているからだな。


まあ、中身が元女性だからか、全く気にしてないけどな。鏡花ちゃんも敦一択だからか、此方を全く気にしていない。
其のあたりから察してほしいものだが、初対面で早々察されるのは無理な話だな。それを出来るのは江戸川さんくらいだ。
・・・せっかくの別嬪さんの顔が台無しになっておるぞ。
紅葉
誰の所為じゃよ。鏡花から其の汚い手を離せよ。
って云ってるから、彼方で大人しくして呉れるかな?
鏡花
分かった。
ベンチの向こうにしゃがみ込ませ、大人しくしているように鏡花ちゃんに云う。
鏡花ちゃんは私の云う通りにベンチの陰に隠れた。
さてと。
鏡花ちゃんと云う重りハンデがなくなった。
これで思いっきりやれる。


縮地で黒服の人達に接近する。私の特技は斜道と空手だ。福沢さんまでは流石にいかないけど、多勢対一でも十分に圧倒できる。

一分くらいで全員伸した。
・・・アレで素の力なんだよな。
紅葉
なん、じゃと・・・・?
敦の呆れの声を然りと聞き取った尾崎紅葉は可成り動揺していた。
そりゃあね、機関銃を持った大勢の人達を無傷で伸すのは只事じゃないからな。宮沢賢治のあたりだったらできそうだけど。ただ、私の場合、完ッ全に素の膂力でだ。敦達はそれがヤバいというが、私としては怒り狂った宮沢さんの方が余程怖い。
芥川
貴様はバケモノか。
バケモノって、酷いな。というか、お前も人のこと言えないからな。
紅葉
なっ!?金色夜叉を倒したのかえ!?
芥川
ああ、此れか?良い運動相手となったぞ。
芥川は羅生門であちこちと切り刻まれ、捻じ伏せられた金色夜叉を更に締め上げる。
金色夜叉の顔の線模様が太く歪み、本当に泣いているかのように見えたの気のせいか?

と、金色夜叉が微粒子化し、羅生門の拘束から逃れた。金色夜叉は尾崎紅葉の下に戻った。
紅葉
チッ。一筋縄ではいかないようじゃな。
その一筋縄ではいかないという奴が更に増えるけどな。
私は此方に近づいて来る二つの気配を感じていた。
宮沢
敦さーん!こんにちは〜!
宮沢賢治の明るい声が聞こえた。
!賢治君!
国木田
大丈夫か敦。何故翔さんもい、一般人も大丈夫でしたか!?
国木田さんは芥川の存在に気づくと、礼をした。敦の逆行前だったら、あり得なかった風景だ。
芥川
問題ない。
問題無いですよー。弟やその友人さんの危機だと、私達も参加しちゃっただけです。
紅葉
探偵社の毒虫め・・・。
国木田
組織同士の全面戦争と云う訳か。
この忙しい時に。
尾崎紅葉と国木田さんと睨み合った。





ジョン
ワァ。タイミング最高。

衝突一秒前って感じだ。あと少し、遅く来れば、楽できたのに。

君やる?
ハワード
構わないが・・・・、大勢からの注目が・・・・痒い。
ジョン
仕方ない。
組合ギルド』の給料分は仕事しますか。
ゲッ。
しっっっっっっぶい記憶を思い出してしまった。

事情を知っている敦から同情の眼差しをいただいた。
ジョン
あ、そこの危ないよ。
荷物パッケージ』が届く頃だから。
芥川!!
芥川!!
芥川
問題ない。回収済みだ。
そこだと云われたあたりに倒れている人達を芥川に回収されていた。

と、回収された処に4人が降り立った。
国木田
(此奴等、組合の!?)
紅葉
いかん!!
尾崎紅葉は金色夜叉、仕込み刀を構えると云う完全に警戒態勢だ。

一方、私達は。
芥川
僕は女性、神父。
私は最初の2人。
いや、お前達、自分の戦いたい相手を言っているだけだよね?
バレたか。
芥川
あべこべ云わず、さっさとやれ。
あ!オイ!!
じゃあ、私も行くよー。
翔!?もー、分かったよ!!
芥川は敦の静止も聞かず、そのまま、突っ込んでいった。
私もそのまま行った。敦は諦め、残りの2人の相手をした。





あの2人の相手をする前に尾崎紅葉へ振り返り、手短に伝えた。
鏡花ちゃんの保護者さん!!
紅葉
それは、私の事を指しているのかえ?
そうだよ!!

鏡花ちゃんの側にいてくれ!!
そちらの方が巻き込まれにくい!!ポートマフィアの幹部、又は親代わりの側と云う安全地帯の方が良いと思うから!!
紅葉
は?
鏡花ちゃん!そんな訳であの女性の側にいといてな!!
鏡花
分かった!
鏡花ちゃんが尾崎紅葉の所にベンチの陰から駆け寄るところを見届け、私が相手をする2人に向き合った。
ジョン
おや?話は終わった?
待ってくれてたのかい?有難うね。
ジョン
どういたしまして!

では早速、仕事を始めようか。
今話している男ーージョン・スタインベック。

長髪の男ーーハワード・フィリップス・ラヴクラフト。

だっけ?

そんな名前だっけ?前に取引先として、訪れ、面会情報収集した時に知ったのがそれだったはずだ。長すぎて、合っているかわからん。取り敢えず、名前呼びしよ。


早速、異能力を発動する。









ほう。ジョンには可愛い妹がいる。谷崎兄弟と同類だな此奴。
そして、今もタコみたいな触手を出し続けるハワードは、


此れは厄介ネタだ。
いや、ハワード、お前、本当になんだ?
ハワード
それは此方の台詞・・・。貴方こそ・・・何者だ?
何者かって。
森鴎外から似たようなことを言われたな。



ギリギリギリギリ


ジョンの首を締め上げつつ、考える。

あの時は「知り過ぎた子供」って答えたけど、今の私は子供っていうか、もう大人の分類に入るけどな。いや、ギリ子供か?
まあ、あの時の答えは通じないか。そもそも、情報屋阿蘇蘭の答え方と同じじゃあ、駄目だしなぁ。なら、別の回答をしなくてはな。

んー。なんて言えば、













敦、芥川達を守るただのブラコン。
ングッ!!あいたっ!!
聞こえていたのか、敦が噴き出す音をした。その後、悲鳴が聞こえたから、攻撃が当たってしまったのだろう。自業自得だ。
ハワード
ぶらこん?

まあ、いい。ただ、潰すだけだ。
腕を蛸の触手に変し、私を拘束しようとする。

















悪いけど、ここで倒れろよ?
ハワードの動きを止めた。

そして、白目を剥き、倒れた。

その横に、ジョンを放ら投げる。
終わったぞ!!
芥川
此方も拘束した。
僕も。芥川。殺していないよな?
芥川
殺していない。
殺していないっていうけど、どうみても与謝野行き案件だね。
それぞれ2人ずつ引き摺り(芥川は羅生門で)、一箇所に集めた。うち2人は死んでる?と疑問視してしまうほど、ズタボロだった。(全員ズタボロだが、芥川んとこの2人は特に)その2人は半死以上なため、間違いなく、与謝野行きだ。

私と敦は合掌した。
一方 上空

ヘリの中にある2人が騒いでいた。
組合のポオとオルコットである。
オルコット
ど、どど、どうしよう!?!?!?
向かっていった人全員捕まっちゃいましたよ!?!?!?
ポオ
お、落ち着くのである!!!とにかく、報告をーー
だぁれに報告だって?
声が聞こえた。発源を見ると、




ヘリの窓を切り刻んで半身ヘリの中に入り、此方を見ている ・ ・ ・  ・少年がいた。

その少年は白髪に黒のメッシュが入っている長髪を後ろで纏めている。
その報告というのは誰にするんだ?
オルコット
ッツ!?!?!?
ポオ
き、君、如何やって、此のヘリの処に?
ん?シンプルだよ。芥川と敦に協力してもらった。
実は少年ーー翔は芥川に投げ飛ばせて貰おうとした。が、それだけでは足りず、敦との連携で空中で足場を蹴って跳躍し、ヘリにまで届いたのだ。
さて、私の言いたいことは一つ。
下にいる仲間と諸にさっさと去れ。
笑っていない笑顔は圧があり、ポオとオルコットさバイブレーション並に震えながら頷くしかなかった。
おっつかれー!皆無事ー?
大丈夫だよ!
芥川
問題ない。
組合の人達が速攻で私達が伸した仲間達を回収し、アジトへ戻っていった。それをみとどけた後、敦と芥川の無事を喜んだ。

鏡花ちゃんは変わらず、尾崎紅葉の所にいた。最後に見たところから動いていないな。
鏡花ちゃんは?
鏡花
大丈夫。紅葉さんが守ってくれた。
そっかー。


却説、話したいことがあるけど良いかな?
鏡花
はい。
鏡花ちゃんの無事に喜ぶが、すぐに真面目な顔にする。

敦の気配が強張った。が、止める動作はしない。
芥川は傍観に徹するようだ。
お前、35人殺しの泉鏡花だろ?
鏡花
!!
一度染まったことはなかなか治らない。
尾崎紅葉さんの意見が一番傷つかない方法だ。

それでも尚、此方光の下に来るのかい?
鏡花
・・・・クレープ美味しかった。
鏡花ちゃんは少し躊躇ったが、ポツリポツリと話し出した。
鏡花
もう人を殺したくない。探偵社に入りたい。皆といたい。

私はもう闇の花じゃない。
そっか。

・・・・尾崎紅葉さん。どうやら、戻る気は無いようですよ。
紅葉
・・・・不可能じゃ。
ビクリと鏡花ちゃんの肩が跳ねる。
紅葉
闇に生まれた者は闇にしか生きられぬ。
それは貴女の話でしょう。
紅葉
なんじゃと?















間寛一。
金色の夜叉が私に刀を突き立てる。















パねぇっすわ(泣泣泣泣)
尾崎紅葉さんの顔が怒りに染まってるねぇ(震)
今、夜叉は目の前にいるのに、尾崎紅葉さんの後ろにも夜叉がいるように見えるなぁ(泣)(震)
紅葉
何故、その名を!!答えよ!!
私の異能力は記憶を見ることができます。
尾崎紅葉さんが動揺した。
よって、断言します。
鏡花ちゃんと貴女は同じにはなりません。
紅葉
・・・・。
記憶を見ることができる。


パワーワードだねぇ。これだけでも大きなアドバンテージになるんだもの。

後は余裕、又は真剣な態度を見せれば、後は相手の考え方次第だが・・・・、これはどうなる?
紅葉
・・・“外の輝く世界を見せてあげよう”と、彼の人は云った。
なら、貴女が鏡花ちゃんに見せてあげれば良いでしょう。
紅葉
・・・・・。









私の首から金色夜叉の刀を下げた。
紅葉
鏡花や。
鏡花
紅葉
私のようにならぬことじゃな。
鏡花
!っ、あ。
鏡花ちゃんの背中を叩く。
こういう時は正直な気持ちを云っときぃな。
鏡花
あ、うん。

ありがとうございます!!
鏡花ちゃんが尾崎紅葉さんにお礼の言葉を言った。

その言葉には様々な感情が込められているだろう。
紅葉
うむ。
鏡花ちゃんの言葉に尾崎紅葉さんは鷹揚に頷いた。










紅葉
鏡花を貰って行くのじゃ。責任は必ず取れ。
いや、そこは鏡花ちゃんを拾った敦に云ってください。
翔!?せっかくの雰囲気が台無しだよ!?
責任は拾ったやつか、鏡花ちゃんが一生を誓う相手に取らせろ。

残念だけど、私は親戚の叔父という立場に徹して貰おう。
何故叔父!?!?!?

プリ小説オーディオドラマ