第2話

🔐01
51
2026/03/26 09:00 更新









 忘れっぽくて
 うっかりが多い私でも




 あの日のことは
 ちゃんと覚えていた
 憶えてたからだろうか











.
 遅刻、かな 





 駅のホーム
 目の前には沢山の人が並ぶバス停




 遅延証明書は、カバンの中
 バスだったらまだ間に合う
 でも、雨だからか人が多くて
 人混みが苦手な私は 




 傘を開いて
 大通りを歩いた









 腕時計の長針を見て
 ほんの少し、足を速める




 怒られるのは嫌じゃない
 それに、担任の先生は
 初老の優しい、穏やかな先生
 怒鳴ったりすることなんて
 天と地がひっくり返ってもない





 でも、遅れるのは
 なんとなく嫌だったら、




 しっかりしなきゃ、自分










 
kne
 ____,危ないよ 




 不意に、腕を引かれた






 声が出るまでもなく
 私はその声の主の腕の中に



 そして、先ほどまで私が
 いた場所には
 トラックから跳ねた
 泥水の海





 生温い、湿気を伴った風が
 遅れて頬を撫ぜる





kne
 前見てなかったでしょ 
 危ないよ?




 困ったような
 優しい声




.
 あ…すみません 






 咄嗟に頭を下げると
 その人は柔らかく笑って



 大丈夫だよ、



 そう言って、駅の方へ歩いて行った






 どんどん、人混みに紛れていって
 すぐにわからなくなった







.
 変なの。 





 そう思ったのに
 少しだけ、






 安心していて










プリ小説オーディオドラマ