全てが、バレた。
いつかバレることは目に見えていたし、分かっていた。
でもやめなかった。
やめないどころか、エスカレートさせた。
ほぼ自分だけの勝手な意思だった。
勿論他の5人も同意はしてくれた。
ただ、提案したのは俺だったし、主に事を動かしたのも俺だった。
声にならないため息が漏れる。
俺は結局何をしたかったんだろうか。
逃がしたかったわけでも、逃げ出したかったわけでもなくて。
…なにしてんだろな、w
もう父さんは庇ってくれないし、どちらかというと反逆者。この国の敵である。その証拠に
いま、首を吊られている。
吊られていると言っても首絞めのようなものではなくて、円状の鉄が首の数センチ周りにあり、そこから伸びた棒が俺の首を支えている。円状の輪の先は鉄の棒が天井に釣りさがっているから、絞首のつもりはないんだろう。
ただ、こうして何日もここに吊られているとおかしくなってくる。
今がいつなのか分からないし、寝たら死ぬかなと考えるし、長いことふわふわしすぎて、もしかしたらもう死んでる?と思ったりする。
他の5人はというと、俺と同じように宙吊りで1列に並んでいる。
栄養はブロックで与えられるし、水分も定期的に摂取せられるので論理上は生きていけるということだろう。
____この国は、そういうのが得意だ。
ぎりぎり法に引っかからないようなことをしている。
まぁ、人権侵害だと言ったら訴えられるだろうが、とてもそんなことをする者はいない。
そして、それをいいことに
人を殺している。
反政府組織、というのだろうか。今の国は、今の政府はおかしいと言って、内閣周辺の人や与党支持者を殺している。
内部情報を知っている俺らはあいつらよりも外に出されにくいだろう。
多分、このまま死ぬんだと思う。
この暗闇の中で感覚が分からなくなって、いつか何かで死ぬか、殺される。
あまりにも現実的すぎて他の選択肢がないものだから、もうすっかり受け入れてしまった。
あとは、いつ死ぬか。それだけ。
もしかしたら食事に毒を紛れ込まされて毒殺かもしれないし、単純に銃殺やら刺殺やらも有り得る。
いつからこんなこと考えるようになったんだろな。
少し先の方でぶらさがるりうらは、まだ5歳。
この先まだまだこれから、という歳の子。
俺が5歳の時は、何も覚えてないけれど何も知らなくて幸せだった。あの頃はまだ、通っていただけだったっけ。
懐かしい記憶の海に溺れ、ノスタルジックな気持ちになる。
いつからか狂いだした俺の歯車は
もう止まることはなく
ただ暗闇へと突き進んで行った。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。