照れくさそうにありがとうございますって言い、しばらく考える素振りをしたあと急に私の手を取り走り出したミンジョア。
目的の場所にたどり着いたらしく目を輝かせながら私を見る。ふふ、子供みたい。
店内に入ると淡い色で揃えられてる壁や床、かわいらしい音楽がかかってて、ミンジョアは入るなりわぁぁぁっと小さな女の子のようにきゃっきゃっしてる。
私もかわいいものは好きだからテンション上がる。あ、このよく分からない宇宙人みたいな生き物のキーホルダーかわいいな。
たしかにこのキーホルダー、色の種類が4色だしちょうどいいかもしれない。
そうと決まればすぐ行動。4つのキーホルダーを持ちつつ他のコーナーを見てまわる。
ミンジョアは私が言い出したから私が払いますって言ってるけど無視。そういうのは年上の私に任せとけばいーの。
ミンジョアは自分の好きなもの買いな?って言ったら不服そうだったけどすぐにぬいぐるみとかに夢中になってたから大丈夫。
ふふ、いいもの見つけた。
近くのベンチに座ってミンジョアを待つ。
ミンジョアみたいな子を見つけてつい買っちゃったけど、喜んでくれるかな。
まぁあの子、私があげるものはなんでも喜んでくれるから大丈夫だと思うけど。
さっきのお店で見つけたミンジョアそっくりな犬のキーホルダー。それがとてもとてもかわいくて、このキーホルダーをミンジョアが付けてるのを想像するだけで微笑ましい気持ちになる。
控えめに差し出されたのはさっきのお店の紙袋。破かないように慎重に開けると、出てきたのは私がさっきあげたキーホルダーと同じ種類のもの。
考えてることが同じすぎて逆に怖いㅋㅋ
えっ、なにこの子、かわいすぎるんだけど。そんなのいいに決まってるじゃん。
ほら、服見に行きましょ!と手を取られる。
ほんと、好きだなぁ。
その後も服を見たり、途中カフェによってデザートを食べたりとしていたら、気づけば日が傾いてる時間になった。
今度は私がミンジョアの手を引いて、予約したレストランに連れて行く。ここは私たちが始まった思い出の場所。
お互い好きな料理を頼んで、満足したあと、なんて事ない話をする。
ミンジョアはコロコロと表情が変わるから見てて飽きないし、笑ってたらこっちまで楽しくなる。
そろそろ…かな。
緊張する。
今日、初デートの時とほぼ同じデートコースにしたのには理由がある。
お互いインドア派だけど、今日だけは譲れなかった理由。
大丈夫、えりにも協力してもらったし、なにより私とミンジョアだから。
ずっとポケットに入れてあった小さな箱を取り出し、ミンジョアの前に静かに置く。
箱を開けた瞬間、ミンジョアの瞳はこれでもかと開かれ、その瞳からは大粒の涙が溢れ出す。
その涙は嬉しいんだよね。前までなら不安になってたけど、伊達に一緒にいた訳じゃない。それぐらいは分かるようになってる。
未だに泣き止まないミンジョアの涙を拭く。拭いても拭いても止まらないから困るなぁ。
ほら、と服に隠れてるネックレスを取り出す。
本当にずるい、と呟きながら笑う彼女は今までで1番きれいで可愛かった。
ふふ、そうやってすぐ顔を赤くしてそっぽ向く。
これからもよろしくね、ミンジョア。
𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍
やっっっと春休み入ったと思ったらまだ学校にいかなきゃいけなかった!!!!
更新遅れてごめんなさい、忙しくて…。これからも更新頻度は下がったままだと思います、ごめんなさい…。
えっと、今回はあれですね、なんか、このサイトに掲載してあるお題から選びました。ちょっと違うけど…。
始まった場所からまた新たにスタートするのって良くないですか?新しいことをする時は思い入れのある場所に行って、そこから気持ちを入れ替えてスタートするようにしてます。始まりはいつでもそこがいい、そこで更新していきたいっていう私の謎のこだわり。
みなさんもそういう場所ないですか…?
ふぅ、ここまで読んでくださりありがとうございます!!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。