その翌日の朝、私の涙の元凶が私の家を訪ねてきた。
極力会いたくなかったから今日は一日中家にいようと決めていたのに。
わざわざ家にまで来られてしまったら拒否したくてもできないじゃん
ほらまたそんな気があるわけでもない癖に。
軽々と口からその気にさせる言葉を吐き出してまた私を勘違いさせる。
いつもはその一言で舞い上がってたけど、今となってはただ悲しくなるだけ
無理矢理私の部屋から追い出して、扉を閉める。
ちょっと冷たくしすぎたかな...なんて後悔してそれでもあなたへの苛立ちは消えなくて
しばらく扉の向こうには人の気配があったけど、意地でも開けたくなかった。
あなたが帰ったであろう足音が聞こえて、恐る恐る扉を開くと、あなたの姿はない。
なんでほんとに帰っちゃうの?なんて身勝手な苛立ちをそこにはいないあなたにぶつけて、
自分の自己中さにまた苛立って。
怒りっぽい時は牛乳。そんな定番的なことを日常的に言っていたあなたの影響か、
無意識に私の頭にもその考えが植え付けられていて。
リビングへと足を進めれば、お母さんから渡される一枚のメモ用紙。
表紙には“チェヨンへ“と綺麗な字で書かれていて、
お母さんから“あの子はいい子ね、大切にしなさいよ“なんて言われてしまう。
まるで今の私の心境と状況を見透かされているようなその発言に驚く。
母は強し。まさにその通りだ。
“ごめんね。私馬鹿だからチェヨンが泣いてる原因、わからないみたい。“
"あの質問で何か不快にさせてたらごめんなさい"
“また落ち着いたら一緒に焼肉食べ直しにいこ!“
“無理しないで、辛くなったら私に言いなよ“
“私はチェヨンから離れないから!“
ほんと...馬鹿みたい。
私はあなたのことが好きで、あなたはサナ先輩が好きで。
こんなん立派な三角関係じゃんか。
でも...私から離れないって、信じていいのかな
何故だか知らないけど、あなたからのその手紙を読んで沈むわけでもなく、
ただただ眠いのに、次の日学校なのに深夜2時まで夜更かしして。
朝起きたら午前10時なんて大遅刻して、教室へ入ればあなたから心配の眼差しが向けられて。
事情を説明したら馬鹿みたいに笑われて。
そんなんでもそれまで心に引っかかっていたモヤモヤはスッキリしていて。
多分私から離れないって言葉が、私に好きでいていいよって言ってくれてる感じがしたから
沈むような気持ちにならなかったのかも
そこまで考えてあのメッセージをくれたなら、あなたは私の扱いが誰よりも上手かったと思う。笑
夕飯を食べ終わる頃にはもうお風呂が沸き上がっていて、
今日はもう何も考えないでいよう、と好きなバンドグループの音楽を聴きながら湯船を楽しんで、
明日の時間割を確認してリュックへ荷物を詰めて
最後にあの時あなたが渡してくれた手紙...もう随分と黄ばんでしまったその手紙を読み返して
ベッドへと意識を手放した。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。