彼女は突然そんなことを言ってきた。付き合い始めて約1週間が経ち、俺らは毎日一緒に帰るようになっていた。
彼女はデートプランを全て俺に任せようとしているみたいだ。いつもなら黙っている俺だがなぜかこの時は再度断りを入れようと思った。しかし彼女はスマホで時間を確認すると、ごめん!もう行かなきゃ!!と言ってこの場から走り去ってしまった。俺は唖然としながらもここ1週間のうちに聞いた彼女の情報を整理することにした。
彼女の名前は大泉ひなた。家で小型犬を飼っている。彼女に兄弟・姉妹はおらず、一人っ子。話を聞いている限りかなり甘やかされて育ってきたみたいだった。しかし四年前、母親が突然倒れ他界。父親は再婚を望んでいるらしく、彼女はそれにあまりいい感情を抱いていないみたいだ。が、その感情は父親には言えていないと聞いている。
頭の中で整理がついたころ、ちょうど家の前まで来ていた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!