第9話

八話「虹色の夢を届ける人」
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2025/11/02 07:10 更新
虹乃にじの夢来ゆら
……
虹乃にじの夢来ゆら
……どうにか、ならなかったのかなぁ……っ
三端みつはし冬音ふゆね
……夢来
虹乃にじの夢来ゆら
……何があったかは詳しく分からない、けど……
虹乃にじの夢来ゆら
……え、っと……全然、嫌なら嫌って言って欲しいんだけど
虹乃にじの夢来ゆら
……私ね、心が読めるの
三端みつはし冬音ふゆね
……心……
虹乃にじの夢来ゆら
……うん
虹乃にじの夢来ゆら
だ、だからその……嫌だったら全然いいんだけど
月夢つきむ莉愛りあ
嫌なんかじゃないよ
虹乃にじの夢来ゆら
……え?
三端みつはし冬音ふゆね
……あぁ
月宮つきみや星薇せいら
……もちろん
虹乃にじの夢来ゆら
な、なんで……
月夢つきむ莉愛りあ
上手く言えないけど、それって……私のことちゃーんと分かってくれるってことでしょ?
月夢つきむ莉愛りあ
それって……私はとっても嬉しい
虹乃にじの夢来ゆら
……
 
夢来の頬に一筋……涙が伝った。
瞳から溢れ出すのが勿体なくて……そのまま留めておきたいような、そのくらい暖かい、涙。
 
虹乃にじの夢来ゆら
……私ね、心が読めた所為で……っ、嫌われてた、んだ
 
涙で言葉が詰まるのを、なんとかして堪えて言葉を紡ぐ。
それよりも今は、何よりも話したいことがあるから
 
虹乃にじの夢来ゆら
……だからこそ、ね……私は、生まれ持ったものだけで、差別されたりとか……そういうのは、良くない……って思う
虹乃にじの夢来ゆら
……だから……
虹乃にじの夢来ゆら
……私は、もうこんなことにはなって欲しくない
虹乃にじの夢来ゆら
私は、そんな、そんな風に苦しんでる人を……何とかして、救いたい
虹乃にじの夢来ゆら
……莉愛も、人の事をちゃんと分かることができるって……言ってくれたし
虹乃にじの夢来ゆら
そんな、私にしか出来ないことが……きっとあるから
月宮つきみや星薇せいら
___そうね
虹乃にじの夢来ゆら
……えっと、それで、その……
虹乃にじの夢来ゆら
本当に良ければ、なんだけど……仲良くしてくれない、かな
3人
……
虹乃にじの夢来ゆら
……え、っと
三端みつはし冬音ふゆね
……今更かよ
月夢つきむ莉愛りあ
そうそう!
月宮つきみや星薇せいら
……ここにいるみんな、そのつもりでしょう?
虹乃にじの夢来ゆら
……!!
虹乃にじの夢来ゆら
……ありがとう……!!
 
 
虹乃にじの夢来ゆら
___ということで……ありがとうございました
信乃拝ことのは光花みはな
……本当に良いのですか?あの人冬音さんと一緒で
虹乃にじの夢来ゆら
……私、光花さんがどうして冬音を嫌いか、まだよくわかってない……です
 
光花さんのことをどれだけ見ても
驚くくらいの憎悪だけが見える

……それ以外は、何も、見えない
憎悪の闇と、自分自信にすらついていそうな嘘が濃すぎて
その後ろ側の本心が私には分からない

……これも、こういうのも、もし私が……読むことを怖がらなかったら、見えるようになるんだと思う、何となく……そう思ったってだけだけど。
 
虹乃にじの夢来ゆら
……でも、私は……冬音のこと悪い人なんて一切思ってません
虹乃にじの夢来ゆら
だから___
信乃拝ことのは光花みはな
___強くなりましたね
虹乃にじの夢来ゆら
……え?
信乃拝ことのは光花みはな
……いいえ、昔の貴方なら……そんなに堂々と意見してはいなかったでしょうから
信乃拝ことのは光花みはな
……その成長故冬音さんについて行くのだとしたら、私としては喜べることではありませんが……
虹乃にじの夢来ゆら
……光花さんがそう思ってるのだって、きっと誤解なんだって……いや、誤解じゃなくても分かり合えるって
虹乃にじの夢来ゆら
そう、信じて……私はそんな、そんな未来にしたい……いや
虹乃にじの夢来ゆら
……そんな未来に、します
信乃拝ことのは光花みはな
……そうですか
 
___光花さんの心が、言いかけた言葉が、一瞬だけ見えた

「それは無理」って言おうとしていた
けど、それを飲み込んで笑っていた
 
信乃拝ことのは光花みはな
……またいつか会う……となれば冬音さんも隣にいるのは少々……私としては喜ばしくは無いのですが
信乃拝ことのは光花みはな
……貴方がこれから成長するのが楽しみですよ、私は
虹乃にじの夢来ゆら
……!!ありがとうございます……!!
虹乃にじの夢来ゆら
……それでは、失礼しました









































月夢つきむ莉愛りあ
___夢来!!おかえり!!
虹乃にじの夢来ゆら
ま、待っててくれたの?
月宮つきみや星薇せいら
まぁ……仕方なく……
三端みつはし冬音ふゆね
最初に待とうって言ったの誰だったっけな
月宮つきみや星薇せいら
静かにしなさい
虹乃にじの夢来ゆら
そっか……ありがとう……!!








































___ねぇお母さん

見てる?見てるかな
見ててくれてるよね、きっと

私は、私のことを嫌だって言わないでいてくれる人を、仲間を、友達を、3人も見つけられたよ。

素敵な3人で、これからもっと仲良くなって……だから、お母さんもその姿、見ててね。

……私、絶対、あんな悲しい事は起こしたくない
それに、これは私がお母さんを悲しませちゃったことに対する償いでもあるから

___だから私は絶対、誰かに手を差し伸べられるような、そんな人になるよ








































虹乃にじの夢来ゆら
「___しゅ、宿題でね、自分の名前の由来を調べて来て、って言われたんだけど……」
「……夢来の名前の由来かぁ、うーんとね……」








































___昔、名前の由来を聞いた時
お母さん、こう答えてくれたよね








































「夢来のこれからの道にはね、楽しいことだけじゃないし……時にはちょっと苦しいことだって、あると思うんだ」
「でも、どんなに苦しくても……夢は来てくれるんだよ、って……」
「そして、いつか……そう誰かに教えられるような人に、夢を届けられる人になって欲しいなって」
「……そう思ったんだ」








































___私、なるよ

悪夢ばかり見ているような、心の中がずっと雨模様の、そんな人に私は
___雨上がりの虹と同じ色に輝く夢を見せたいから








































だから……頑張るね








































   「 うん……夢来なら、きっと出来るよ 」








































虹乃にじの夢来ゆら
……!!
虹乃にじの夢来ゆら
……そっ、か……
月宮つきみや星薇せいら
……夢来?
虹乃にじの夢来ゆら
あっ、ごめん行くね!!








































___ありがとう。
 
 
……今日は不機嫌な日か、珍しい
リーディ・パーミッション
……救








































【 呪いを断ち切れぬ哀しみの剣 】水面みなもすく








































リーディ・パーミッション
……不機嫌、ですか?そのような事はありませんが……
水面みなもすく
何年一緒にいさせられてると思うんだよ
……そのくらいは嫌でもわかる
リーディ・パーミッション
……"いさせられてる"という言葉遣いだけ直して頂きたいですが……まぁ、不機嫌……なのかもしれません
水面みなもすく
どうせお前のことだから与えた宿命通りに動かなくて余計なことを〜とかだろ
リーディ・パーミッション
……そうですね
リーディ・パーミッション
……マリア・イビルはもっと恨まれて死ぬべきだった
リーディ・パーミッション
それなのに、実母を殺されていながら、虹乃夢来は……それをあまり恨んでいる様子は無い
リーディ・パーミッション
そもそも救世主としての宿命はここで終わりで、ここで立ち直れないはずなのですが……
リーディ・パーミッション
……何故か前を向いているのです
水面みなもすく
それはお前が侮ってるからだろ
リーディ・パーミッション
……救、それ以上はいけませんよ
水面みなもすく
……はいはい








































リーディ・パーミッション
(もしかすると、このまま行けば彼女は……)








































リーディ・パーミッション
___永久に救われない宿命である誰かを、救ってしまうかもしれませんね
 
 
"成長が楽しみ"……ですか、ふふっ……!
信乃拝ことのは光花みはな
……!いたのですか……
えぇ、一部始終をしっかり聞いていましたよ……!
信乃拝ことのは光花みはな
……貴方は良いのですか?冬音さんに味方が増えること……
……夢来さんが冬音さんに騙されてしまうのは、少し……分かってしまいますから……
……それに、結局どうなったとしても……
……最終的に冬音さんを幸せにさせない
その為にわたしはここへ訪れたのですから……!
信乃拝ことのは光花みはな
……そうですね
信乃拝ことのは光花みはな
……頼りにしていますよ








































信乃拝ことのは光花みはな
___"月夢"結未愛さん








































【 愛を愛し偽物を偽った従者 】月夢つきむ結未愛ゆみあ








































月夢つきむ結未愛ゆみあ
___はい……!!
 
 
___その頃、幻想回星世界の表側にて。








































……ごめんね
……良いんだよ
「寧ろ、僕の所為で……」
……そっか








































 
       「 ___ありがとう 」








































そう言って、一人は……二人は、星空の下へと

___落ちた








































【 第一章:悪夢の舞台に虹色の夢を 】Fin.

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