こうやってしょうもない話で盛り上がるのが楽しくて楽しくて。
普通の日常が幸せってこういうことか、と身をもって感じていた。
ずっと続けばいいのに……
この言葉はどこに行っても、どんな状況でも願えば願うほど自分達から遠ざかっていくのかもしれない。
あの事件さえ起きなければ。
高校3年生の夏。
学年は受験に向けて少しずつピリついたムードになり始めていた。
でもそんなの関係なく、相変わらずな日常を過ごしていた。
最近はおんりーに教えて貰って勉強してるけど、解説が先生よりも分かりやすいんじゃないかってレベルで分かりやすくて少し勉強が楽しくなってきたんよなあ
このまま受験まで突っ走るぞ!!
耳を澄ますと声の元は応接室からのものだった。
放課後にここの廊下を通る生徒は少ないからだろうか、偶然聞こえてしまったその会話は聞いてはいけないものだろう、そう察した。
賞金がかかってる大会といえば毎年この時期に行われるサッカー部の全国大会だ。しかし出場枠の獲得はかなり厳しい争いと言われている…が、この学校は毎年出場、しかも優勝を重ねてきている。
どこも勝てない強豪校と有名だが、もしやこの裏には不正行為が…??
ポケットからスマホを取り出す。本当は学校で使っちゃいけないんだけど……こっそりね。
音を出さないように服の中で録音ボタンを押した。
ガサゴソと荷物をまとめるのが聞こえたため立ち去ろうとすると同時に反射的に録音ボタンを押してしまった。
防音対策をしていなかったため機械音が静かな廊下に鳴り響く。
持ち前の運動神経で慌てて逃げ出した。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。