最恐の龍に一撃を食らわせた無詠唱魔導師は、
飛行魔術で空中からゆっくりと下へ降りていた
一度、直で寝落ちしたとはいえ、
彼は大規模な魔術も使っていた
魔力は削られていた
そう思いながら彼は感知魔術を使った
生徒、教師の安全は確認しなければならないのだ
全員下にいるだろうと思ったのに
一人だけ山の中にいた
さっき、防護魔導師と行動していた、
場所の近くから反応していた
彼はそう呟きながら
元いた場所らへんへと引き返した
そして数分後、
その一人が空中から見えてきた
空中から見ても分かる、
淡い紫の髪をした少年
喧嘩別れしたクラスメイト、紫藤 入間だった
ほっとくわけもにもいかないので、
静かに少し離れた場所へと降りた
〜いるま 視点〜
無詠唱魔導師が去った後、
俺はその場に呆然と立っていた
頭の中は、
そのことで埋め尽くされていた
他のことなんて眼中になかった
ガサッ
そう思っていたら後ろから物音が聞こえた
茂みから出てきたのは
黒髪に前髪ピンクの特徴的な髪型をした、
クラスメイトの桜木 蘭だった
普通なら怪我してないかとか
心配するべきだろう
でも、それよりも紫藤 入間は話したいことがあった
紫藤 入間は桜木 蘭に近づき
肩を強く掴んだ
彼はそんなことよりも、
今の彼の頭は無詠唱魔導師で埋もれていたからである
そう無詠唱魔導師の話をしたと同時に
止まることなく紫藤は話し続けていく
そのキラキラとした目で語る少年の光景を、
無詠唱魔導師は静かに、
ただ好きな事を無邪気に話す子どものように見えたという













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!