第5話

✤ Three
158
2024/04/09 15:14
イ リ オ ス
イ リ オ ス
姉さん……ッ… ! !
うわァァァァァァ ! ! !

私は泣き叫んだ 。





ママとパパよりも姉さんと過ごす時間の方が圧倒的に多かった 。






だから 、私はいつも姉さんと一緒に行動していた 。







どこに行く時も 、必ず姉さんの隣に居た 。










真っ先に頭に浮かぶのは 、姉さんの笑顔だった 。








だから 、姉さんがこの世には居ない事実をそんな
すぐには受け入れる事が出来なかった 。



ヴ ィ オ レ ー タ
ヴ ィ オ レ ー タ
……陛下…お妃様…セレネ様… 、
心よりお悔やみ申し上げます…ッ 。



私の隣に居たヴィオレータも 、涙を流しながら胸に
手を当ててそう呟いた 。







𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄






その後ヴィオレータと共に王宮に行ってみると 、
宮は跡形も無く消えていた 。




それだけ火事が酷かったんだろう 。







大切な家族も消え 、思い出が沢山詰まった家まで
消えた 。







同時に様々な事が起こりすぎて頭の整理が出来ない 。




メ イ ド
… イリオス様 ! ! !


王宮跡には 、助かったメイド達や王国の騎士らが集まっていた 。





しかし 、その人数も大きく減っていた 。



メ イ ド
ご無事で何よりです…… ! !
イ リ オ ス
イ リ オ ス
……皆も 、無事で良かった… 。
生きて帰って来てくれてありがとう 。

私が感謝の意を伝えると 、皆 、涙を流した 。














自分や他の方々 、姫の私が生き残ったという
『 嬉しさ 』







でも 、ママとパパと姉さんが死んでしまったという 『 哀しさ 』







これからどう過ごしたら良いのかという『 不安 』






色んな感情が入り乱れているからだろう 。













陛下が居なくなった今 、この王国を守っていくのは
私しかいない 。





自らが強くなり 、この国を敵から守るんだ 。







姉さんのように 、芯の強い優しい女性になるんだ 。












私は 、歩き出す 。


ヴ ィ オ レ ー タ
ヴ ィ オ レ ー タ
……姫様 ?



そして 、皆の前に立つ 。
イ リ オ ス
イ リ オ ス
私は 、まだデビュタントを終えて
いないので父上の仕事を引継ぐ事は
出来ませんが 、
イ リ オ ス
イ リ オ ス
これからのトリフィリ王国は私が 、
必ず守ります 。



13歳の私は 、覚悟を決めた 。













※ デビュタント ︰初めて社交界にデビューする、
年頃の女性 。デビュタント後は大人と認められる 。この世界のデビュタントは18歳 。

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