第16話

光の消えるところ
33
2025/12/21 07:10 更新
《Midnight Atelier》の看板の灯りが
今日はやけに揺れていた。
看板の灯りを管理しているのは璃譜。
璃譜の体調に異変があったりすると
看板の灯りにも影響を受ける。
璃譜
璃譜
あたし元気なんだけどな
hell
hell
おかしいですね...


hell
hell
光の精霊を呼んでみてください
璃譜
璃譜
はーい
自分の掌に浮かべた光を見つめると、
いつものように軽やかに跳ねる。
璃譜
璃譜
あれ?
璃譜
璃譜
看板の接触が悪いのかも...
あたしちょっと見てくるね!

ルリア
ルリア
待って璃譜!
その言葉が、ほんの一瞬遅かった。

店の外...裏路地へ続く扉が、
音もなく開いた。
璃譜
璃譜
え、
次の瞬間、璃譜の足元から、
影が立ち上がった。
璃譜
璃譜
な、何これっ!?
咄嗟に璃譜が発した光が弾かれる。
そして視界が、黒く反転する。
風雅
風雅
璃譜っ!!
風雅の声が届く前に、璃譜の身体は
夜の向こう側へ、引きずり込まれた。

そして扉が、閉まる。
何事もなかったかのように。
ルリア
ルリア
消えた...?
ルリアは震える手でカードを引く。
カードは『吊るされた男』。
優花
優花
誘拐、かな
風雅
風雅
...っ、追います
hell
hell
やめておいた方が...いや、
それはご自身の判断にお任せします
その声が届く頃には
風雅は、すでに外へ向かっていた。
だが、夜路には痕跡がなかった。
魔力も、足跡も、時間の歪みすら。

...完璧すぎる。
風雅
風雅
最初から、璃譜が狙いだったんですね...
hell
hell
あの双子...ッ、
薄暗い夜と夜の狭間。
璃譜は冷たい床の上に座らされていた。
手枷はない。
口も塞がれていない。
でも、光が使えない。
璃譜
璃譜
...うそ、
掌に何も浮かばない。
璃譜
璃譜
ここ、どこ...っ、
そのとき、重なるような2人の足音が聞こえた。
奏
こんにちは、璃譜ちゃん
璃譜
璃譜
こ、こんにちは...
響
そいつが噂のペテン師か
奏
そうだよ
璃譜
璃譜
ち、ちがっ...
奏
違わないよ。嘘をついたんだから
ハイライトの無い瞳が璃譜を貫く。
璃譜
璃譜
でも待って、悪気は無くて...
ほらっ、人にも害を加えてないし!
奏
それは知ってる。
だから殺さない
璃譜
璃譜
じゃ、じゃあどうして...?
響
貴様は眩しすぎる
あの男が守る『夜』にとって
貴様の光は『希望』になってしまう
奏
だから奪うだけ
璃譜
璃譜
それってさ、めちゃめちゃ
ヴィランの言い分じゃない?
奏
...ッ、
一瞬だけ奏は眉を動かしたが、
取り繕って再び無の感情へと戻る。


響
安心しろ
奏
完全には壊さないから
双子は虚ろな顔で嗤った。
背後で、
魔具が起動する音がした___
hell
hell
...やりましたね
ボソリと店主は呟いた。
風雅
風雅
璃譜になにかあったんですか!?
hell
hell
愚かですが...
その『覚悟』だけは評価しましょう
hell
hell
次は私たちのターンですよ

hell
hell
風雅さん
風雅
風雅
は、はい!

プリ小説オーディオドラマ