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第1話

失敗作と成功作
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2024/04/07 12:36
20xx年 x月x日
ナベリウス家に長女が生まれた
名前は、ナベリウス あなた
魔力量が少なく、歩いたりすることはできる


が、魔術を打つ事が難しいらしい
それを聞いて父上はカンカンに怒り
手を出そうとまでしたらしい
まあカルエゴが止めたからよかったけど
20xx年 x月x日
最近、メイド達が私に対して陰口を
言っているような気がする
魔力が少ないのに何ができる?
どうせ一人になったらなにも出来ない
など、言いたい放題だ
20xx年 x月x日
今日は私の分だけ食事が出されなかった
メイドの嫌がらせだろう
後でコン○ニでも行って買ってこよう
20xx年 x月x日
私は、魔力量が少ないが一応
鍛練はしている
ラファイア、フラクタルなど
簡単な口頭魔術を打つ練習だ
だが、一回でも魔術を打つと
過呼吸になってしまう
だから、私の魔術の練習には
監視が必要である
だが、私を嫌っているメイドが多いため
一人で練習をすることにしている
何回過呼吸になろうと
何回倒れようと
私は決して諦めない
全ては家族に認めてもらうため
20xx年 x月x日
最近、皆が私に話しかけてくれなくなった
父上も、母上も
メイドも、他の悪魔も
だが兄さんは違った
挨拶も、世間話も、
ちゃんと私の話を聞いて
私に話しかけてくれるのは
兄さんだけだから
だが兄さんは家に居ることが少ない
いつもは学校に行っているらしい
暇だなぁ
20xx年 x月x日
私は聞いてしまった
父上と母上の会話
あの子は失敗作だ
家系を継ぐことは出来ない
役立たず
魔力がないことに甘えている
それに対して
カルエゴ兄さん
最近位階ランクがまた上がったらしいわ
あいつが失敗作だったらカルエゴは
「成功作」だな
私はその言葉を聞いて
立っていられないほどに
胸が苦しくなった
苦しい
苦しい
苦しい
苦しい
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
私はあんなに努力をしているのに
何回過呼吸になろうと
何回倒れようと
家族に認めてもらうために
すごいねって褒めてもらうために
良いなぁ兄さんは
生まれたときから
魔力があって
才能があって
ケルベロスが見えて
位階が上がって
みんなに認めてもらえて
私、ダメだなぁ
兄さんはなんにも悪くないのに
何でか、とてもイラついてくる
何で?
何で神様は兄さんにばっかり
才能を持たせるの?
何で?
損な感情がフツフツと沸いてくる
まるで、今まで我慢してきたものが
溢れ出したみたいに
私は、気づいたら、家を飛び出していた
何も考えずに
夢中で走り続けた
走って
走って
走って
もう何もかもが嫌になる
あの家族も
兄さんも
メイドも
此の世界も
魔力の量で全てが決まる此の世界が
大ッ嫌いだ
「あんさん、すごい顔やけど大丈夫か?」
悪魔だ
あなた「何ですか」
「いや君、」
「凄い綺麗やわ」
背筋が凍りついた
何を言っているんだこの悪魔
プロフィール
name ナベリウスあなた
家系能力???
*魔力量が少なく魔術が打てない
*魔術が使えない自分に劣等感を抱いている
*ナベリウス家で唯一ケルベロスを視認する


*ことが出来ない呪われた悪魔だと噂されてる
「私は、失敗作だから」
「はは、優しいね入間くんは」
「ごめんね、私はこっち側だから」
「私に、兄は居ません」

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