第5話

非日常4
280
2025/06/14 12:44 更新
あなたSide




あれからはなんともなかった。私の神経は案外図太いようで、精神的ダメージというものも少なかった…と思っている。
翌朝店に行ったら2人とも、とても心配してくれた。うちの子ほんとに良い子
私が頬にガーゼをしているからか、お客様にも心配をかけてしまった。 









常連客
あなたちゃん、大丈夫?
あなた
はい!ガーゼは貼ってますけど、もう痛くないですよ
常連客
まったくも〜。女の子の顔に傷を残すなんて男として失格ね!
あなた
私は別に気にしませんけどね〜
常連客
気にしなさいよ!
あなた
えー
セーレン
そうですよ店長!店長はそういうのに疎すぎますから!
ギフラ
まあ、あのセンスじゃね
あなた
ギフラさん。それは掘り返さないでください
常連客
んふふ、スタッフの子達もこう言ってるんだから、そろそろいい男、見つけなさいよ!





このお客様、このお店に来るたび私に男女交際たるものを勧めてくるのだが。すみません、そういうのほんとに興味ない
この彼氏いない暦イコール年齢の私に今更彼氏だ結婚だなんて、考えたこともない






常連客
じゃーねー!今度来るときまでに、気になる男の子くらい見つけておきなさーい!
あなた
多分次の次もいませ〜んw
カランカラン




そのお客様と入れ違いで入ってきたのは、あのイケメン石油王さん(仮)。
あなた
!いらっしゃいませ!



今日はいつもとは違い、明太フランスパンとチーズパンを持ってレジにいらっしゃった
あなた
お会計______$になります!



















???Side



あなた
お会計______$になります!


既に聞き慣れた声で会計を読み上げるのは、行きつけのパン屋の女主人……この前他の客があなたと言っただろうか

前回までは息子達にも買っていっていたが今回は自分用だ。


部下に買いに行かせればいい話だが、それは何故か腹が立つので毎回自分で買いに来ている






















シリル・マーカス
右頬はどうした?
あなた
へ?

咄嗟に口から出たのはそんな言葉。なぜだ?

ガーゼをしているのなら怪我をしているのだろう。


別に興味はないはずだ


あなた
あー、昨日スタッフの子達と遊びに行った帰り、男にナイフで襲われて…
あなた
まあでも風呂に入ったときに染みるくらいなので、別に生活に支障はきたしませんけどね


呑気な顔でそう語る。


お人好しがすぎるな


シリル・マーカス
治癒魔法をかければいいだろう
あなた
はは…この店に勤めてる人でそんな高度な魔法が使える人間はいません…
ギフラ
悪かったな
あなた
え、いやいやべつに責めてないって!

シリル・マーカス
見せてくれないかい?
あなた
へ?
あなた
いや…結構エグいですけどぉ…
シリル・マーカス
ん、構わないよ


それなら…と少し不慣れな手つきでガーゼを剥がしていく。
その下にあったのはだいぶ深く切り込まれた傷口だった


あなた
跡、残りそうなんです。これ(ヘヘ




近くで見るために、あなたの顎に片手でを添え、顔を近づける。
あなた
ヒョエ!?


この深さでは治癒魔法では効きにくいかもな…

それならば…


シリル・マーカス
「タイムズ」



そう唱えると傷跡が綺麗さっぱり消え去った
あなた
え!?なくなった!
セーレン
お、お〜!
ギフラ
すげ
あなた
こ、固有魔法ですか?
あなたから顔を離して答える
シリル・マーカス
ああ。
シリル・マーカス
時間を操る魔法だよ












あなたSide


時間を操る魔法…?

なにそれめっちゃ強いじゃん…?
あなた
有難うございます!
あなた
あの…つかぬことをお伺いしますが、お名前は?


お客様は少しの時間をおいてから答える

シリル・マーカス
シリル…シリル・マーカスだよ
あなた
シリルさん……

あなた
あの!お、お礼!させてください!!
シリル・マーカス
お礼?
あなた
はい。傷を直していただいたことへのお礼です!
あなた
なんでもしますよ!







また、少しの沈黙のあとシリルさんが口元にだけ笑みを浮かべながら言う


シリル・マーカス
あまり、男に何でもする、は言わないほうがいいよ。あなた?
あなた
へ……な、なんで名前…
シリル・マーカス
本当に何かされてしまうかもしれないからね


あなたの耳元に顔を近づけ小声で言う。

あなた
ッ………/////
あなた
あ、あのっ…///







シリル・マーカス
ククッ…w
あなた
へ?
シリル・マーカス
冗談だよw
あなた
はへ…
シリル・マーカス
それにしても、お礼…………そうだね
シリル・マーカス
今度、予定が合えば一緒に買い物に出かけてくれないかい?

か、買い物…?

まだ羞恥でボーっとしている頭で、もちろん大丈夫ですよ、と答えた

するとシリルさんはなにか書いた紙を差し出してきた。
シリル・マーカス
私の連絡先。予定についてはこれで連絡して
あなた
あ、は、はいっ
シリル・マーカス
じゃあ、また
あなた
またご来店くださいねー







カランカラン








シリルさんがドアを閉めた途端、私はカウンターに突っ伏した




あなた
んにゃ〜〜//////
ギフラ
あ、遂にてんちょーが溶けた
セーレン
あれ……今の………


セーレンちゃんがハッとしたような顔でなにかブツブツと呟いている
ギフラ
どうした






セーレン
今の…………かんっぜんに恋愛漫画の一コマじゃん!?
あなた
恋愛漫画……?
ギフラ
………うん。たしかに
セーレン
美男と美女が至近距離で向き合うと、全てがそれっぽくなるのか……?


まてまてセーレンちゃん?
あなた
確かにシリルさんは美男だけど、私は全然美女じゃなくない!?

その発言をしたあと、私達の空気が少し凍った気がした
ギフラ
……けっ、これだから無自覚は
あなた
え?
セーレン
あなたさん……今のはさすがに…
あなた
え?









何で私、今責められてんのー!?

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