その日は、いつもと同じように学校から帰ってきた
ジュージュー…
後は皿に盛り付けて…
コトン
ヒラッ
ん?なんか落とした…けどまぁいいや
私の妹、結華は中学1年生。私は今高校2年生。私達の両親は私がちょうど今の結華くらいの年齢の時に交通事故で亡くしてしまった。
両親がいなくなってからは遠くに暮らしている母方の祖母にお金を振り込んでもらったり、援助してもらいながらなんとか2人で暮らしていた。
結華は今日は早帰りなんだと朝に私に自慢しながら登校したので家にいるばずだ
しかし呼んでも返事がない
結華を呼ぶために2階に上がり、結華の部屋に入った
しかし、部屋はもぬけの殻だった
ふと机の上に目がいき、書き置きが目についた
机に近づき、書き置きを読んだ
青鬼の館に行きます。
自分のようなゴミは、もう戻ってきません。
青鬼の館の噂は知っている。あの、二度と戻ってこれないという。結華はそこに行ったのか…
ゴミって…まさか結華はいじめられてたの?普段の楽しそうな様子からは全く分からなかった。姉失格だ。
私はいつも着ているコートを羽織った。
家を出る前に仏壇に手を合わせ妹の無事を祈った。そして父の形見である父がよく吸っていたタバコをお守りとしてコートのポケットに入れ、家を飛び出した
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!