何も言葉も交わさないまま、ぐさおさんがいる家に着いた
イエモンさんが扉を開けてくれる
扉をくぐると、すぐ後にイエモンさんが入って扉を閉める
襖を開けると、ぐさおさんが飲み物を飲んでいた
私たちに気付いたのか湯呑みを机に置き、笑顔になった
確かに、何も言わないで飛び出したのは失礼だったかも ⋯
緊急事態だったとはいえ、人様の家なんだから
その言葉のままに、先程と同じ場所に座る
イエモンさんも私の後に続き座る
そう言いながらナニかをゴソゴソするぐさおさん
__まさか、武器とかじゃ ⋯⋯
まさか、あの「ファングル」で採れた魚を捌いて詰め合わせた ⋯ あの!?!?
食べれば何も考えられなくなるほどの美味しさ、脂が乗って身がギッシリと詰まった数ある役職の中でほんのひと握りしか食べられない幻の ⋯ あの!?
ゴクリと喉が鳴る
今すぐにでも食べたい
でもその前に、シェリフとしてクルーの誘導をしなければ
彼らは避難したまま
何時までも村の避難所に居させる訳には ⋯
____どうして、考えていることが分かったんだろう
でもありがたい気遣いだな ⋯
返事に聞いてから外へ出る
辺りは先程よりも少し赤く染まってきて、夕暮れが近いことを示していた
家は少し壊れているものもある
そう思いながら小走りで避難所へと向かった
しばらく走っていると避難所が見えてきた
窓から明かりが漏れている
避難所の外にはボディビルダーが入口を守っていた
そう言うとボディビルダーは避難所の中にいるクルー達を外へ出す
避難したクルー達は安心したように各自 家へ戻る
それを確認して、技術者へ連絡をとろうと電子機器に番号を打ち込んだ
声のする方へ振り返るとヴァンパイア改めウパパロンさんに拘束されていたクルーがいた
感謝の言葉と共に勢いよく頭を下げる彼女
わざわざお礼を言いに来てくれるなんて ⋯ 優しい人なんだな
先程の傷だろう
仕事が終わった後で消毒するつもりだから、気にもしなかった
手を引っ張られる感覚がする
抵抗しようにも力が強いし、クルーを傷付ける訳にもいかないので されるがままでいると、ある家へ着いた
其処はぐさおさんの家とは違い、洋風の作りになっているようだった
クルーが扉を開け、家の中に入る
クルーに手を握られているので必然的に私も家の中に入ることになる
その言葉と共にリビングらしき部屋へ案内される
そう言って棚の扉を開け、救急箱を探している様子
このクルー、女性なのに簡単に家に人をあげても良いの ⋯ ?
私がシェリフだからと言って、安心しきってない ⋯ ?
すぐ騙されそうで怖いんだけど
周りを見るとテレビ、机、椅子、ソファー、奥にはキッチンなど、一般的な造りになっているようだ
私に危害を加える雰囲気は無し
純粋な善意で私を治療しようとしているのだろう
救急箱を持って私がいる方へ振り向く彼女
近くにあったソファーに座る
テレビが見やすいように、ソファーとテレビが対面に設置されている
冬服を着てイヤーマフをつけた灰色髪の女性
彼女は救急箱を開け、消毒やら綿棒やらを取り出した
そう言って綿棒に消毒液をつけ、頬の傷に押し当てる
それと同時にズキッとした消毒液による痛みが頬に染み渡る
そう言ってまた綿棒を傷口に押し当てる
そういえば、消毒液は細菌もだけど正常な細胞も破壊するから痛みを感じると何処かで聞いたことがある気がする
いやだから何だよって話だけど
そんなことを考えていると消毒が終わったようで、絆創膏を頬に貼ってくる
満足したように私から少し離れるみぞれさん
ってか、よく見たらみぞれさんも美形だな ⋯
そう言って微笑んでみる
小声でそう聞こえたのはスルーしておこう
____ふと、技術者の事が頭に過ぎる
そういや、連絡してないな ⋯
ショボンと効果音がつきそうなほど落ち込んでいる彼女
止めてくれ、クルーにそんな顔をされると動きたく無くなる
話を聞きたくなってしまう
天秤に掛けられていた 「 みぞれさん 」 と 「 連絡 」
見事にみぞれさんに傾いてしまった
今度はパァァァァと明るい効果音がつきそうな程に、嬉しそうに笑顔になる
可愛い女の子に笑顔を向けられて、少し心が浄化された感覚がした
実はこの度、私 ⋯ ファンアートを頂きました〜!ドンドンパフパフ
本編とは関係なくてすみません

この構図!表情!目線!躍動感!
全てが素晴らしいですありがとうございます!!
らむ様ですね
反応集の方も、個人個人の特徴が掴まれていてとても面白いです!
私個人としては、【 かいしんのいちげき ! 】が1番好きです🥰
ご本人様もとても良い方で、絡みやすいですよ〜
少し話が逸れましたが、ファンアートありがとうございます!













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!