ぐさおさんの家に着くまで無言だったが 、
ヴァンパイア達を追い払った後と比べれば
不思議と気まずくは無かった
目の前にはぐさおさんの家
あの時と同じようにイエモンさんが扉を開ける
私は少し頭を下げて家の中に入る
襖を開けると先程と同じようにぐさおさんが
お茶を飲んでいた
違うところを挙げれば ……
テレビを見ているのと、蓋をしてあるお寿司の
詰め合わせが置いてあるところくらいか
ぐさおさんは私たちに気付いて
お茶を机の上に置いた
私は返事を返さず 、そのまま先程と同じ席へ座る
同じ陣営といえど 、信用するかは別
…… まぁ 、2本とも矢を打ってるし …
やり直しが効かないから大丈夫だとは思うけど ……
ぐさおさんがサイドキックされて 、
敵になったときを考えると恐ろしい
..... 今は安心して大丈夫だろう
iemonさんも先程と同じ場所に腰を下ろした
ぐさおさんは私達の言葉なんてお構い無しに
先程見せてくれたお寿司の蓋を開ける
そこには何度見ても食欲をそそられる
あの有名な「ファングル高級寿司」がある
喉がゴクリと音をたてて動く
ぐさおさんは今日出会った人
シェリフなら、欲望に負けず
怪しい食べ物なんて口にしない
毒を仕込んでたらどうするの
私は村で唯一のシェリフなんだよ?
万が一のためにも、ここはお寿司を
ぐさおさんに返却しないと____
なんて、考えてたら口の中には
脂がいっぱい乗った新鮮な味_____
口の中のお寿司は、
すぐに溶けてなくなってしまった
初めて食べたファングルのお寿司は、
これまで食べてきた食べ物の中でも
1番美味しかった
すぐに次のお寿司へと箸を持った手が伸びる
また1口頬張る
次はサーモンだったみたい
口の中ですぐに無くなって、
脂っこいようなサッパリとしたような
不思議な味が口の中に広がった
____ぐさおさんと、イエモンさんが
部屋に居ないのに気付かず、私は目の前の
欲望に従い続けた













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。