そう。
私は、父から貰った
“私だけの”ヒプノシスマイク。
確かに機械音っぽいけど…
話せるなら何でもいい。
元母の言葉も聞かずマイクを起動する。
呻きながら倒れた母を横目に、
口の中で広がる鉄の味と猛烈な吐き気を
催した私は前のめりになって倒れ込んだ。
呼吸をしようと焦れば血が喉に引っかかる。
如何すればと考えれば考える程息が荒くなる…
上手っす、と
まるで小さな子を宥めている様だ。
暫くして、呼吸が落ち着いてきた頃。
母がポロリと溢した言葉に驚愕する。
“もうすぐそこまで貴女の命を
狙っている輩が100と無く来るわ。”
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自己防衛くらい、
自分でさせてください。
私は、大丈夫ですから
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。