第28話

🐈
155
2024/03/18 14:09


7歳の誕生日の真夜中、





父は母が寝入った隙を見て

一本のマイクを私に渡した。



.
声が出ないのは、さぞかし生き辛いだろ。


.
ソイツは今は普通にただのマイク
として使ってくれ。




時が来たら本当の使い方を教えてやると、




父は優しい眼差しで私を抱きしめてくれた。



































そして、父が捕まる30秒前に



父は使い方の在り処を教えてくれた。

.
俺の机の引き出しに、
マイクの使い方の紙を入れてる…
.
それを読んで正しいマイクの
使い方を学ぶんだ。








“俺みたいにはなるなよ。”






高校生になるまで解らなかった




この言葉の意味。











ようやく理解できた。

魘魔あなた
(ありがとう…お父さん。)






あなたへ。


俺があなたにあげたマイクは少し特殊だ。

極力使わないようにしてほしい。

そのマイクには小型カメラが内蔵されていて、

機械音っぽくはなるが、声が出せるようになる。

だが、その分反動が大きい…

喉を痛めて血を吹き出すかもしれない。


俺を追いかけてすぐ死ぬなよ?(笑)




閻魔 慈愛より

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