第34話

32話:音楽
369
2024/04/16 10:44



澤村「まさかだとは思うけど園田さん…」



『あ、ご安心を。私は加害者とかそっちじゃないので』



澤村「あぁ…」



キッパリと質問に答えると、一瞬みんな安心した様だが、すぐさま私の方に向き直る



清水「じ、じゃあ…あなたのニックネームちゃん…」



『あー…そこはノーコメントで…すみません』



バレー部(((((絶対被害者だったよね)))))






『…日向…』



日向がなんでかわからないけどプレッシャーと車酔いで田中先輩のジャージに吐いた



そのせいでバスの中は大騒動



日向「すみません田中さん…」



田中「いいつってんだろうが!そんなことよりおめーは大丈夫なのかよ!?」



青ざめた顔で「大丈夫です」と答える日向



絶対大丈夫じゃないよ



だってこの子、他校と練習試合とか滅多にやってこなかったんでしょ?



その後も田中先輩の余計な一言でトイレに駆け出していった



影山「情けねぇな!!一発気合い入れて___」



園田・菅原「『何言ってんの?!バカじゃないの?!』」



私と菅原先輩で影山を引き止める



こいつもこいつで面倒なやつだなっ



清水「あ、あなたのニックネームちゃん。先に挨拶しに行こっか」



『はーい!今行きます!』



影山を菅原先輩に丸投げ…任せて、清水先輩の方に駆け寄る



マネージャーってそんなこともするんだ…



なんて思いながら清水先輩の顔をチラチラ見ていると、本人がそれに気づいた様で



清水「ちがうよ。これは私の判断。わざわざ練習試合受けてくれたんだから…ね?」



うぉぉ…大人の女性だ…



考え方がもう大人



後、見た目も勿論



『しっ…潔子…さんっ…は…なんでそんなに…大人な考え方ができるんですか…』



ぐだぐだになりながらも潔子さんに質問すると、彼女はふわりと笑ってこう返してくれた



清水「多分、皆んなの支えになりたい…って思ってるからかな…」



ふふッと笑う彼女の顔…眩しいっ…



『…私も、清子さんみたいになりたいです…』



清水「大丈夫。あなたのニックネームちゃんなら…あっという間に大人になれるよ」



私は思わず足下に視線を移す



…潔子さんみたいな私ってどう言う感じなんだろう…



いや、ダメだな。私はぜったい大人になれない



これからも、自己中は自己中だし



清水「あっ、私。相手の監督に挨拶してくるから、先に体育館の方行っててくれないかな…ごめんねっ」



潔子さんはすぐさま青城の監督の方へ行ってしまい、私はそのまま体育館の入り口へと向かう



扉が閉まってても分かる



ボールが跳ねる音。シューズがすり減る音



私の…好きなリズムで、たくさんの選手演奏者が、音楽を奏でてる



さぁ、ベスト4の実力。見せてもらおうか



私は思いっきり鉄の扉を開けた





プリ小説オーディオドラマ