澤村「まさかだとは思うけど園田さん…」
『あ、ご安心を。私は加害者とかそっちじゃないので』
澤村「あぁ…」
キッパリと質問に答えると、一瞬みんな安心した様だが、すぐさま私の方に向き直る
清水「じ、じゃあ…あなたのニックネームちゃん…」
『あー…そこはノーコメントで…すみません』
バレー部(((((絶対被害者だったよね)))))
『…日向…』
日向がなんでかわからないけどプレッシャーと車酔いで田中先輩のジャージに吐いた
そのせいでバスの中は大騒動
日向「すみません田中さん…」
田中「いいつってんだろうが!そんなことよりおめーは大丈夫なのかよ!?」
青ざめた顔で「大丈夫です」と答える日向
絶対大丈夫じゃないよ
だってこの子、他校と練習試合とか滅多にやってこなかったんでしょ?
その後も田中先輩の余計な一言でトイレに駆け出していった
影山「情けねぇな!!一発気合い入れて___」
園田・菅原「『何言ってんの?!バカじゃないの?!』」
私と菅原先輩で影山を引き止める
こいつもこいつで面倒なやつだなっ
清水「あ、あなたのニックネームちゃん。先に挨拶しに行こっか」
『はーい!今行きます!』
影山を菅原先輩に丸投げ…任せて、清水先輩の方に駆け寄る
マネージャーってそんなこともするんだ…
なんて思いながら清水先輩の顔をチラチラ見ていると、本人がそれに気づいた様で
清水「ちがうよ。これは私の判断。わざわざ練習試合受けてくれたんだから…ね?」
うぉぉ…大人の女性だ…
考え方がもう大人
後、見た目も勿論
『しっ…潔子…さんっ…は…なんでそんなに…大人な考え方ができるんですか…』
ぐだぐだになりながらも潔子さんに質問すると、彼女はふわりと笑ってこう返してくれた
清水「多分、皆んなの支えになりたい…って思ってるからかな…」
ふふッと笑う彼女の顔…眩しいっ…
『…私も、清子さんみたいになりたいです…』
清水「大丈夫。あなたのニックネームちゃんなら…あっという間に大人になれるよ」
私は思わず足下に視線を移す
…潔子さんみたいな私ってどう言う感じなんだろう…
いや、ダメだな。私はぜったい大人になれない
これからも、自己中は自己中だし
清水「あっ、私。相手の監督に挨拶してくるから、先に体育館の方行っててくれないかな…ごめんねっ」
潔子さんはすぐさま青城の監督の方へ行ってしまい、私はそのまま体育館の入り口へと向かう
扉が閉まってても分かる
ボールが跳ねる音。シューズがすり減る音
私の…好きなリズムで、たくさんの選手が、音楽を奏でてる
さぁ、ベスト4の実力。見せてもらおうか
私は思いっきり鉄の扉を開けた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。