第38話

36話:興奮
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2024/04/21 19:13



「第二セットを始めます!!」



試合再開のホイッスルと共に、体育館の2階にはギャラリーが集まっていた



モブ「何あれ〜」



モブ「練習試合だって〜」



どう見ても練習試合だろ



どこをどう見たらそんな質問ができるんだ



モブ「あの相手のチームのマネ2人可愛くね??」



モブ「マジだ!!いいなぁ〜」



こっちもこっちでガヤがうるさいな…



らっきょ「おい!あとで後頭部狙うサーブ教えて!」



月島「あっ、僕にも教えてね〜」



『試合終わったらお望み通りお前らの頭に打ってやるよ!!』



清水「あなたのニックネームちゃんっ」



相手が決めそうになったスパイクを正面で受ける月島



無駄に回転かけられてたわけじゃないのに乱すとか…



あいつもレシーブ苦手だな?



日向と追加でこいつも特訓だ



田中「影山カバー!!」



影山「ハイっ!」



澤村先輩や田中先輩が大声でボールを呼ぶ



その中でネットに向かって全力失踪する一人がいた



日向だ



なんで?クイック?いや、前のセットでは無かった。ただの囮?



あろうことかあの体制からトスをあげる影山



『はっ?!』



流石の私でもわかるよ。こんなトスは打てない



普通なら



案の定、日向のスパイクが決まることはなくボールは落ちる



日向「あれ?」



自分の手を見てありえないという風な間抜け声を出す日向


いや、こっちが言いたい



ってか、影山に怒られんじゃないの??



影山「日向ぁ!」



ほら見ろ



影山「悪い、今のトス少し高かった」



『はぁぁぁぁ?!?!』



か、影山が…王様が…謝った??



影山が私のことをギロッと睨み、コートの配置についた



なんなんだあいつ



相手サーバから始まり、澤村先輩と田中先輩と日向が同時に走り出す



誰を使う?点を取りたいなら田中先輩だけど…



次の瞬間



バンッ!!!



『は??』



日向「しゃーあ!!」



影山「シッ!!」



田中「ア"ッシ!!!」



澤村「おーし!!」



菅原「よっしゃ!!」



何?今の…



ボール…動きが速かった…



速攻??



それにしてもだよ…



月島「出たよ…変人トス&スパイク」



いや、なんでそんな冷静なの?!



菅原「そっか、園田さんは初めてだったね。これ ・・見るの」



「俺も最初はびっくりしたべ〜」とか言いながら私の肩に腕を回す



この人スキンシップ激しいよね



別に何も思わないけど



『日向!影山!!今の何?!』



菅原先輩からするりと抜けるとコートから出てきた二人に問い詰める



二人はびっくりした顔をしたがすぐさまにやっと悪い笑みを浮かべた



日向「すごいだろ〜!!」



『いや、なんでああなったのかの理由が知りたいだけ』



影山「俺が日向の最高到達点までボール持って行っただけだ」






数秒沈黙が続く



『お前すごいなぁ!!!』



私は日向と影山の頭をガシガシと撫でる



周りの人は当然驚いているが無理はない



こんなの見せられたら誰でも興奮する



日向は少し頬を赤め、「えへへ」と笑っているのだが、影山は不服そう



『影山!今度暇な時私にもトスあげて!!』



影山「なっ!!あ、上がるわけねぇだろうがボケェ!!早く手ェどけろ!!」



私の手を振り払ってコートの中に戻って行ってしまった



影山…やっぱり面白いっ



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