朝起きて、
身体が全力で不調を訴えてる。
体調崩すとか何年振り…。
やばい感染症とかじゃないと思うけど
風邪だとしても移すとよくない。
時間を見ると、9時だった。
……ぁ、やばいもう来る時間。
ガチャッ、
ほらきたぁ。
…まぁ、今は楽屋の奥部分に居るから別にいいけど。
観客に手品を見せる部屋の奥に
家として見れば狭いけど
一人で住むには充分すぎる部屋。
キッチンやベッドは、
拾われた日に団長が用意してくれた。
流石のジスも住まいの方には入ったことない。
観客を呼ぶ部屋の合鍵は持ってるんだけど。
起き上がって出ることもできないから
とりあえずメッセージを送る。
普段なら、別にいいよって言う。
けど、今日ぐらいは…頼ってもいいかな、?
少し迷って、迷惑にならなさそうな内容を送る。
バタン、
ジスが外に出た音を確認してから
重い身体をなんとか起こして体温計を取る。
ピピピピッ、ピピピピッ、
しばらく経って、無機質な音が響く。
微熱。
数値が本当か確認したくなるくらいには
身体が不調。
微熱ってこんなにしんどかったっけ。
ガチャッ、
扉越しに、ジスの声がする。
帰る、のか。
ジスの気遣いなのも分かってる。
けど、
気付いたら、メッセージを飛ばしていた。
すぐに既読が付く。
ドアの音がしてないから
ジスはまだ、楽屋に居る。
この優しさに、いつから私は弱いんだろう。
……今日は、
その優しさを壊したい。
カチャッ、
キィ…
近づこうとして、ドアから手を離す。
少し、視界が揺れる。
グイッ…、
ジスが私の腕を掴んでいて、
後ろから抱きつかれるように支えられる。
なんとか転けずに済んだ。
自分でも、言ってどうするんだと思う。
ただの、友達。
でも、私にはずっと
“ただの友達”も居なかったから。
頼るなんて、してこなかったから。
ひとりで生きてきたから。
自分でも驚くほど、弱々しい声が出た。
来て、と奥の部屋へ招く。
ジスは、椅子の上の買ったものを持って
私の後をついてきた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。