第31話

20話
56
2024/06/04 07:57
ラギー
シシシッ!3人がかりでそんなもんスかぁ?大したことないッスねぇ。
ニーゴミク
ニーゴミク
はぁ、はぁ、……疲れた……
デュース
はぁ、ただ足が速い、というより、はぁ、高低差を飛び越える能力が尋常じゃないな。
ラギー
シシシッ!こんなんスラムの裏道に比べたら余裕ッスよ。つかさぁ、もしここでオレを捕まえたってアンタらオレが犯人って言い切れなくないッスか?
デュース
なんだと?
ラギー
だって、オレが怪我させたって証拠、ないッスよね。誰かオレが魔法使ってるとこ見たんスか?そんで、それ写真に撮ったりしたんスか?してないッスよねぇ?
エース
うぐっ………そ、それは。
ラギー
次にオレを追い回すときには証拠揃えてから来てくださいッス。
ラギー
ま、君たちじゃ次も無理だろうけど。
グリム
ううう……悔しいんだゾ~。
ラギー
んじゃ、今日の追いかけっこはここまで。あ、さっき盗ったマジカルペンはここに置いとくッスよ。ばいばーい♪

エース
くっそ~!腹立つ~!
ニーゴミク
ニーゴミク
まだなにかするつもりなのかな……
ジャック
てめーら、まだ懲りずに犯人捜しやってんのか。
エース
んだよ。見てたんなら手伝えよな。おたくんとこの先輩、超悪いヤツなんですけど?
ジャック
お前ら、何故そんなに他人のために必死になれる?
デュース
他人のため?
ジャック
怪我したダチの仇討とうって気持ちはわからなくもねぇが……
エース
だーれが他人のためなんかにやるかっつーの。
ジャック
え?
デュース
僕たちはこの事件の犯人を捕まえて手柄を立てたいだけだ。
エース
そーそー。あわよくばマジカルシフト大会の選手枠に入りたいし。で、世界中にイイとこ見せたい。
グリム
オレ様だって、絶対アイツを捕まえてテレビに映ってやるんだゾ!
ジャック
ハッ!他人のために動くようなヤツは信用ならねぇと思ってたが……お前ら、思ってたよりひでぇ奴らだな。
エース
なんだよ。オレらよりお前のほうがひでーじゃん。その様子じゃ知ってたんだろ?アイツが事件の犯人だって。
グリム
あっ!そうか。同じ寮だから「自分は狙われない」って言ってたのか?
ジャック
……オイ、てめーら。俺と勝負しろ。
ジャック
てめーらが口だけの輩じゃないと俺に証明できたら俺の知ってる話を教えてやってもいい。
エース
げっ。オレそういう汗臭いの苦手なんだけど。
デュース
俺はそういうの嫌いじゃねぇぞ。わかりやすくていいじゃねぇか!
グリム
ふな゛っ!?デュースのワルスイッチが入っちまったんだゾ!
ニーゴミク
ニーゴミク
怪我はしないようにね……


ジャック
はぁ、はぁ……な、なかなか鋭いの打ち込みやがる……
デュース
はー、そっちこそ……はー、やるじゃねぇか……
ジャック
……よし。これでケジメはつけた。俺の知ってる事は話してやる
エース
ケジメって、なんのケジメだよ。
ジャック
俺自身の心のケジメだ。所属寮を裏切ることには違いねぇからな。
ジャック
どんなに強い相手だろうが、自分自身の力で挑んでこその勝負だろ。今回の大会だって、俺は自分がどこまでやれるのか挑戦するつもりで自分を鍛えてきた。
ジャック
卑怯な小細工なんて反吐が出る!そんな勝利になんの意味がある?俺は、自分自身の力で勝ち上がってテッペン獲ってやりたかったんだ!
エース
あ、こいつスゲー面倒くさい奴だ。
ニーゴミク
ニーゴミク
不正が許せないんだね……
デュース
わかる!俺はわかるぞ!!その気持ち!!
グリム
コッチにも面倒くさいヤツがいるんだゾ。
ジャック
ラギー先輩のユニーク魔法は……『相手に自分と同じ動きをさせることができる』ものだ。操りたい相手と同じ動きをすることによって本人の不注意にみせかけて事故を起こしてきた。
デュース
でも、待てよ。ターゲットのそばで階段から飛び降りるような動きをしたら、すぐ怪しまれそうなものじゃないか?
ジャック
一連の事件は、ラギー先輩が単独でやってるわけじゃねぇ。おそらくサバナクロー寮の奴らほとんどがグルだ。
グリム
ふな゛っ!?
ジャック
そいつが言うようにターゲットのそばで変な動きをしていれば目立つ。だから、寮生どもがラギー先輩の壁になって目立たないよう誤魔化してるんだと思う。
ニーゴミク
ニーゴミク
どうしてそんなことするの……?
エース
んー。マジカルシフト大会での順位や活躍ってかなり将来に響くんだろ?だったら気持ちはわからなくもないけど。
ジャック
フン!将来よりも今だろ。今の自分の実力を見せつけなきゃ意味ねぇだろうが。俺が特に気に入らねえのは寮長、レオナ・キングスカラーだ!アイツはすごい実力があるはずなのにちっとも本気を出しやしねぇ。
グリム
確かに、アイツダラダラしてるのにめちゃくちゃ強かったんだゾ。
ジャック
だろ!?せっかく持っている力を何故磨かない!? 俺はそういうヤツが一番嫌いだ。
ジャック
レオナ先輩が大会で見せたプレイは本当に凄かった。だから、俺はこの学園に入れて……サバナクロー寮に入って、あの人とガチでマジフトの試合がやれるんだと思ってたのに……
エース
あのさー……ミク。コイツ、さっきからずっと自分トコの寮長に文句言ってるようでいて……
ニーゴミク
ニーゴミク
すごく尊敬してるんだね……
ジャック
今までの事件は、奴らにとって行きがけの駄賃みたいなものだ。奴らはもっと大きなことを目論んでる。
ジャック
ディアソムニア寮寮長、マレウス・ドラコニアだ。ヤツはバケモノ並のパワーでディアソムニア寮を2年連続優勝に導いた。そのせいでサバナクロー寮は無得点のままトーナメント初戦敗退。先輩達はそれに恨みを持ってる。
デュース
無得点で初戦敗退……優勝常連寮としてはさぞ悔しかっただろうな……
エース
大会当日、ディアソムニア寮になにか仕掛けるつもりってことか
リドル
話は聞かせてもらったよ。
デュース
ローズハート寮長、ダイヤモンド先輩。!
リドル
伝統ある大切な行事を私怨で汚そうだなんて、許せないな。
ケイト
どうする?リドルくん。
リドル
今までのラギーの犯行も証拠がない以上断罪することはできない。狡賢いレオナ先輩たちのことだ。今告発してもうまくかわすだろう。
エース
つまり犯行現場を押さえるっきゃない、ってこと?
リドル
ボクに少し考えがある。まずは……
ジャック
待て。知ってる情報を話しはしたが俺はお前らとツルむつもりはねぇ。
ジャック
自分の寮の落とし前は自分でつける。じゃあな。
ニーゴミク
ニーゴミク
1人じゃ…止められないと思う……
ジャック
……あ?
デュース
確かに1人対寮全員じゃ、勝算が低いよな。
ジャック
……いいだろう。話くらいは聞いてやる。だが。もし気にくわねぇ作戦だったら、俺は抜けるぜ。
リドル
じゃあ、さっきの話の続きをするよ。まず…………

終わり〜明日、明後日にはオバブロまでいくとおもう
昨日の出したアンケートは明日まで
新しい小説出したとしてもちゃんとこっちも出すよ

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