Hermione side
そう2人に告げて、図書室に入る
私が今まで見た中だとそんな本はなかったような気もするけど……
もう一度調べてみよう
本棚を見つめていると、すぐ近くにあなたが眠っていることに気が付いた
こんな所で寝ないで、と言おうとすると、あなたは人差し指を口元に当ててはにかんだ
その顔はすごく優しくて、不覚にもきゅんとしてしまう
まあ、確かにあの時のあなたはかっこよかった気がするけど
でもマルフォイ家って純血主義なんでしょ?
私なんかとこうやって話して良いのかな、とも思うけど…
いまいちあなたのこと掴めてないんだよね
「賢者の石」の事は私たち3人の秘密のため、一応濁しておく
あなたは問題児の笑みを浮かべて言った
普段は優等生のくせに、意外と問題児なのよねあなたって
そういうことじゃないのよね、せっかく褒めてるのに…
マルフォイ家の人間だからか、あなたはハリーのことを「ポッターくん」と呼んでいる
ドラコの方のマルフォイとは、皮肉さが全く違うけど。
少しだけ距離を感じるのも確か
あなたは微笑んだが、少し悲しそうな笑顔だった
いつも明るい優等生だと思っていたけど、悩みは誰にでもあるのよね…
話題を変えようと、あなたの指に何個も着いているリングを指さした
あなたは耳元でそう言うと、私の頭をぽんと撫でて去っていった
ふざけているけど、いつも私たちを見守ってくれて。
優しくて面白い先輩たちだわ
女子たちがキャーキャー言うのも、なんだか分かった気がする
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。