男の子はいきなり縁側の下から顔を出した
新をお化けだと勘違いして転びながらも
必死こいてお母さんと助けを求めていた
しかし、慌ててたのか盛大に転んでしまい
おでこを縁側の支柱にぶつけてしまった
男の子は恐怖か転んだ痛みなのか分からないが
ヒックヒックと目から流れている
涙を引っ込ませようとしていた
流石に新も驚かせるとはいえ怖がらせる気は
毛頭無かった為、すぐに男の子に駆け寄った
私は自分の身に纏っているだぼったい服の
裾を上げかぼちゃパンツのポケットに手を入れる
ポケットの中からオールマイトがプリントされた
子どもの小さなポケットでも入るポケットティッシュだ
私は男の子の前にしゃがんで肌が荒れないように
優しく目元に溜まった涙を拭う
拭ったティッシュは涙を吸って染みが出来ていた
元々人見知りな性格なのか、はたまた年齢の近い人と
接した機会が極端に低いかどうか分かっていないが
小さな声で彼は「焦凍」と答えた
中々聞かない名前に私と新も特別感が強かった
特に新は目をキラキラさせながらすっごいと口に出してた
まるでサブマシンガンのような早さで質問しだす新に
焦凍君は何が好きなのか一回考え込んでしまう始末
一気にし過ぎだと次々と食べ物を出す
新を止めようとした瞬間、ある1個だけ焦凍君は答えた
あの時から今でも何でも食べ物は
パクパク食べれちゃうから無我夢中に
新と一緒に蕎麦の美味しさを語ってしまった
けど、焦凍君は好きな食べ物が一緒なのが
余程嬉しかったのか何度もお揃いを呟いて
ここ一番の自然な笑顔を見せていた












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。