それからというもの謎の友達関係
として日々を過ごしていった
案の定、燈矢兄さん達に不思議に思ってしまう事が
あったが子供ながらの探求心だったり
方向音痴で誤魔化していた
ある日、私達は遊ぶ時に新があることを思い付きだした
あだ名というのは人によって
一生嬉しいものや心苦しくなる賛否両論の代物だ
あの時のしょう君は前者で良かったと今でも思うよ
何せ、この後から……新は…__________________
考えただけで吐きそうになるな、思い出すのは止めとこう
本当に…謝っても謝りきれないことばっかりだ…
"思い出したくないあの日"から数週間後
あの頃の私はどんな時もやることに
新を思い浮かべることばっかりだった
いつもいつも、おやつを半分こして渡そうと思ったときも
先に靴を用意して遊びに行こうとする準備のときも
...…あのときも、あの時も
全部意味がなくなって、その度に落ち込んじゃった
いつも寝るときは自分の行動の遅さに
嫌気が差して枕を濡らして寝たとしても途中で起きる
また眠ろうとしても、"あの日"を考えて時計の針を
見続けて、朝日が上ってきていつものように振る舞う
眠たい、でも眠たい欲も湧かない
食べたい、でも食べたものの味なんて分からない
苦しい、でも新のに比べればこんなものはちっぽけだ
甘えだ、私の考えは全て
でも…両親だって……新がいなくなって苦しいはずだ
雨が今すぐにでも降りそうなある日だった
燈矢兄さんと出会った公園で1人だけで遊んだ
その時の私は、"あの日"から
しょう君達の家に行かなかった事を思い立っていた
新がいなくなった後でどう説明すれば
良いか分からなかった
言ったら、みんながどんな顔をするのか
幼いながら怖かったからだ
でも…その日は心配しているのかなと思ったから
近い内に行こうと決心して家に帰っていった
今日は父親が昼に帰るから
鍵は持っていてもそのまま入れると思ってた
でも、帰ったのが間違いだった
玄関の扉を開けようと手を伸ばそうとした時
母親でもなければ祖母、叔母も違う……
全く知らない女の声だった
甘ったるい声に人によっては頬を赤らめるが
私にとっては身の毛のよだつ
気味が悪すぎるもの同然だった
開けようと思った右手が止まり行き場を
失っていると扉の向こうから小さくリップ音が
聞こえた瞬間、すぐに走った
もう無理だって思った頃には
肌に張り付くくらい酷い雨が降っていた
走り慣れてない"義足"を駆使して来たのはしょう君達の家
当たり前だが、雨で外に誰かがいるなんてものは無い
呼び鈴を押そうかと思ったが
いきなり来てしまった事は駄目だったなと
感じつつ雨で冷たくなった手で呼び鈴を押す
私と同じくらい濡れ鼠で且つ酷い火傷まみれの
燈矢兄さんが私の……義足を見てしまった












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。