時の力とは何とも皮肉なモノだ。
黒で統一された部屋の中で、もう趣味の本を読むことも佳しにして、俺はふとそんな事を想う。
気が付けば自分の身体は自分の意思に反し、鏡を見れば変わり果てた自身の姿に驚愕する。
それは周りの奴等にも等しく影響される力であり、逃れる事は出来ない絶対的法則
何人たりとも、エントロピー増大の法則には逆らえない。
何れカタチの在る凡てのものは風化し朽ちていく。それは命でも同じなのだ。
そんな世界を越え宇宙規模の法則に、俺は従順に居れているのかの自信が無い。
この風化し変わり往く世界に、一人取り残される俺に、“死”という安寧はもたらされるのかという疑念だ。
もう何度も読んだ物語の頁を、1枚進める。
「死にたい」とは厳密には違う
唯、俺を受け入れない浮世に、俺から遠ざかっていく周りの奴等に。そもそも、俺という“character”を生み出したヤツが今では憎い。
憎いのだ。憎くて憎くて醜くて憎悪して嫉妬して焦燥し怠惰で傲慢で強欲で無力で在る俺が
唯々憎い-......
また、一言一句憶えてしまった紙切れを2枚捲る。
時の力とは何とも残酷なモノだ。
俺を唯一人、この下らない世界に取り残して往く
Shit. 今この場で死に往く理由すら奪うというのか。お前は
太腿に乗った、ずっしりと重量感の在る本を読む。
といっても、厳密には“読む”より“視る”の方が正しい。
俺が本を読むのは奴の趣味だったから。奴があんな顔で本を読むからだ。
そう、俺の凡ては所詮、奴からの受け売りに過ぎない......
この記憶も、代替品に過ぎないのだから-......
否、今となってはもうどうでも佳い。
奴等を失った今、今は唯一の同類となった脳内花畑野郎とソウルレス野郎しか居ないのだから。
そんな糞な世界なのだから、俺は喪失感すら棄てて仕舞った。
もう読み飽きた本を閉じる。
足掻いた先がこんな世界なのなら、
早く滅びて仕舞えばいいのに。
「ばぁ、!
何て、シニカルな俺を嗤ったのは、記憶の片隅に在ったたった1つの追憶
嗚呼、此も所詮-
「何てモノを遺して逝ったんだ、貴様は。
「還って、来たよ-......
お前からの中古品何だろ?
「Mare.
なぁ、?其処で笑ってるNightmare.
どうも、ばっちりプロフで伏線張ってたとまけろです。
女々しいメア様が執筆したくて出した新作。
白百合とあると思うのですが、この場合白百合と詠んで欲しいです。
誤字脱字等有りましたらお知らせ下さい。
以上、とまけろでした。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。