第4話

3話
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2024/06/25 11:44
パイモン
星の魔神ウァサゴ!?
パイモン
まさか…生きていたんだな…
…?
二人は困惑する俺を置いて少し神妙な顔を浮かべる
そんな俺をパイモンが気づくまで数十秒程放置した
パイモン
旅人、星の魔神については知ってるか?
俺は静かに首を横に振る
すると、鍾離先生が重い口を開けて俺に説明してくれた
鍾離
彼女はこのテイワットの忘れ去られた過去、記憶や未来のことを知っている神だ
鍾離
有名な功績を挙げるとするなら…世界樹を作ったり、一説によれば占星術を作ったと言われている
世界樹を?
鍾離
嗚呼
予想以上の功績に俺は少し目を丸くさせ、驚く
そして、このようなことを思い付いた
彼女に聞けば、妹…蛍について情報が聞けるかもしれないと
パイモン
でも確か…ウァサゴは死んだハズだろ?
パイモン
何で生きてるって分かるんだ?
パイモンがまるで何も知らぬ無垢な子供のように鍾離先生に聞く
鍾離
鍾離先生は目に寂しさを思い浮かべながらパイモンの質問に答えた
鍾離
…1500年以上前か
鍾離
彼女は唐突に姿を消したんだ
鍾離
俺…俺たちははすぐに彼女を探したんだが…
鍾離
見つかったのは…
パイモン
…?
鍾離先生は肝心の部分で言葉を詰まらせる
きっと、あまり口にしたくはないことなのだろう
大丈夫…?
鍾離
…嗚呼。すまない
心配の声をかけると、鍾離先生は冷や汗を頬に伝わらせて言った
そして少し深呼吸をして話を続けた
鍾離
見つかったのは…
鍾離
…血が全体にこびりついた彼女の服の布だった
パイモン
ひっ!?
鍾離先生が低く、苦しそうな声で呟く
パイモンは予想より酷いものだったのか顔を青ざめた後、俺の背中に隠れた
それで、彼女は死んだと…?
俺は静かに聞く
鍾離先生はゆっくりと首を縦に振った
鍾離
当然、俺達は彼女が死んだと思ったんだが…
鍾離先生は小さく吐く
そして、鍾離先生が静かに涙を頬に伝わらせて俺を…いや、俺の腕の中にある鏡を覗き込んでいった
鍾離
この鏡が、彼女は生きていると教えてくれた
そう言って、鍾離先生は鏡を一撫でした

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