第31話

超光速のプリンセスvsミスパーフェクト
10
2024/04/11 09:31
タキオンの衝撃の告白からしばらく経ったある日のこと。
私たちは次の目標である『大阪杯』に向けて、トレーニングを行っていた。
(なまえ)
あなた
…よし、今日はこの辺で終わりにしよう
と、トレーニングを切り上げた。しかし、
タキオン
タキオン
トレーナー君、もう少し走ってきてもいいかい?
(なまえ)
あなた
わかった、程々にね
この様に、最近タキオンが自分から追加でトレーニングをするようになってきたのだ。
(なまえ)
あなた
(タキオンも成長したなぁ…)
と、しみじみしていた時だった。
文斗
文斗
あ、あなた
(なまえ)
あなた
文斗先輩、お疲れ様です
文斗先輩だ。後ろを振り返り、軽く頭を下げる。
文斗
文斗
今日はちょっと話があって来たんだ
(なまえ)
あなた
話…ですか?
文斗
文斗
アグネスタキオンが『大阪杯』で復帰するっていうニュースは俺も聞いたよ
文斗
文斗
それで、俺が今担当してるのがダイワスカーレットなんだけどさ
ダイワスカーレット。トリプルティアラのうちの2つ『桜花賞』と『秋華賞』を制し、さらにデビューから2年間、1着と2着のみという戦績で今注目を集めているウマ娘だ。
文斗
文斗
スカーレットにこの間次の予定どうしたいか聞いたら「『大阪杯』に出たい」って言ってて
文斗
文斗
復帰戦で俺の担当と直接対決になっちゃうんだけど…大丈夫かなって
(なまえ)
あなた
大丈夫です、むしろそんな娘と一緒に走れるなんてこちらとしても嬉しいですし
文斗
文斗
なら良かった、それじゃあ俺はこの後ミーティングがあるから失礼するよ
そう言って、先輩はトレーナー室に向かった。
(なまえ)
あなた
(そういえば、タキオンのデビュー戦のとき…)



文斗
文斗
──どこかで一緒にレース出られたらなーって思ってる



(なまえ)
あなた
(とか言ってたっけ…)
(なまえ)
あなた
(先輩の期待に応えるためにも、もっと頑張らないと)
タキオンの自主トレーニング後のミーティングで彼女にそのことを話し、より一層トレーニングに注力しようと気合を入れた。
そして時は流れ、3月下旬。
『春シニア3冠』の初戦、そしてダイワスカーレットとの初の対決、『大阪杯』の日がやってきた。
文斗
文斗
…すげえ観客数だな
それもそのはず、『超光速のプリンセスvsミスパーフェクト』『復活の皐月賞ウマ娘とダブルティアラウマ娘 大注目の直接対決』など、今日のことは新聞やニュースなどでも多数取り上げられているのだ。
観衆を前に緊張する私と先輩。一方のタキオンは、
タキオン
タキオン
ふわぁ〜……
のんびり欠伸をしていた。
(なまえ)
あなた
いや、緊張感どこ行った…?
タキオン
タキオン
甘いなぁモルモット君、私は今心身共に緊張を解いていただけさ。
タキオン
タキオン
これはスポーツ科学に基づくメンタルトレーニングの一種なんだよ。
(なまえ)
あなた
そ、そうなんだ…
タキオン
タキオン
まあ、あの日君を期待させた責任くらいは取るつもりだから。大船に乗ったつもりでレースを見ていたまえ!
(なまえ)
あなた
うん、期待してるよ!
スカーレット
スカーレット
こんにちは、タキオンさん。
タキオン
タキオン
おやおや、スカーレット君じゃないか。
スカーレット
スカーレット
アタシもいつか、タキオンさんとレースで戦いたい…そう思ってたんです
タキオン
タキオン
ほう…それは嬉しいねぇ
スカーレット
スカーレット
タキオンさんと一緒に走れるなんて、何度もあるような機会じゃない──だから、
スカーレット
スカーレット
アタシ、負けませんから!
第4コーナーを進み、直線へと駆けていく。
先頭はダイワスカーレットだ。
文斗
文斗
スカーレット!このまま逃げ切れ!
隣で先輩がスカーレットに応援を飛ばす。が、
実況
アグネスタキオン!超光速のプリンセスがここで上がってきた!!
文斗
文斗
っ?!
タキオンだ。復帰戦だというのに、相変わらずとんでもない末脚だ。
そしてその勢いのまま、
実況
アグネスタキオン!今1着でゴールイン!
超光速の皐月賞ウマ娘がターフに戻ってきました!
あの『ミスパーフェクト』と呼ばれているダイワスカーレットに勝利した。
実況
2着はダイワスカーレット!
文斗
文斗
くっ…負けた…
先輩は悔しそうに唇を噛んでいる。その隣で私は、
(なまえ)
あなた
タキオン…すごいよ…
客席に向かって笑顔でウイニングランをするタキオンを見つめながらそうつぶやいた。
スカーレット
スカーレット
…タキオンさん
スカーレット
スカーレット
今回は、アタシの負けです。でも…
スカーレット
スカーレット
次、もしまた一緒に走る機会があったら、その時は絶対勝ちますから!
タキオン
タキオン
ククッ…君は懲りないねぇ
(なまえ)
あなた
タキオン、お疲れ様!
(なまえ)
あなた
復帰戦でG1…しかも相手はダイワスカーレット…なのに1着取るなんて…
(なまえ)
あなた
やっぱり、タキオンはすごいよ!
タキオン
タキオン
落ち着きたまえ、トレーナー君。少々息が荒くなっているぞ。
タキオン
タキオン
でも…君に宣言していた通り、シニア級は無事に走り抜けられるさ。
タキオン
タキオン
しかし限界の先はまだはるか遠く──私はまだ先へ行く!
タキオン
タキオン
そこへ行くには“トレーナー”という役回りが必要不可欠。
(なまえ)
あなた
じゃあ、次のレースは…
タキオン
タキオン
そうだな…『宝塚記念』にしよう。
『宝塚記念』は2200m。2000mを主戦場としていた彼女にとって少し長い距離になる。
タキオン
タキオン
大丈夫さ、ここに私が夜なべして作った新薬がある!
そう言ってタキオンが取り出したのは蛍光ピンクの液体。
(なまえ)
あなた
え、なにこれ…
タキオン
タキオン
この薬を飲めば、長いレースを走る上で必要になってくる乳酸性閾値にゅうさんせいいきちと耐乳酸能力の向上が期待できる。
タキオン
タキオン
しかし、私の体は宝だ。テストなしに飲んで異常をきたすのは君にとっても困ったことになる。
タキオン
タキオン
そこで、モルモット君の出番というわけさ。
(なまえ)
あなた
…え?これを飲めって?
タキオン
タキオン
そうに決まっているだろう?
(なまえ)
あなた
いやいやいや、明らかに色がおかしいって!
タキオン
タキオン
百戦錬磨のモルモットが今更色なんて気にするなよ。ククク!
(なまえ)
あなた
…はぁ
『すぐに飲め』と詰め寄る彼女はやはり相変わらずだった。
しかし、無事に復帰戦を勝利で飾ったタキオンの実力は確かなもの。
この調子で、次の『宝塚記念』に向けて頑張ろうと気合を入れ直した。
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タキオンさんの𝙱𝚒𝚛𝚝𝚑𝚍𝚊𝚢まであと2日
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頑張って13日の0時に出したい
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ということで書いてきまーす
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あとついでに宣伝していい?
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いいよ
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ありがとう
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前回宣伝した合作のもう片方
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自信作なのでまじで読んでほしい
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そして気づいたら2000文字超えててワロチなので終わりまーす
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おつももです!

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