第10話

08. 第二戦①
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2024/03/27 06:11 更新

作戦決行日。

私たちはあの日、ラモンさんに言われた作戦を実行するため、訓練をひたすらにしてきた。

私たちは1番隊の人達と敵地に攻め込む。

戦場では、いかなる犠牲が出ようと、自分が死なないために、殺されないために戦い続けなければならない。

それを早朝、エルに告げられた。

死を恐れず、敵兵を全滅させる······

これは、戦場においての心得。

最も大切なこと。

自分の身は自分で守り、味方が倒れようと、自分は進み続ける。

私はそれを肝に銘じた。
ニコ副隊長
みんなー、出発するっスよー

列の前で声を上げるのはニコ副隊長。

そして、彼女の隣に立つのはシア隊長。

2人は1番隊の隊長、副隊長だったのだ。

今日、私たちは同じ目的を持ち、ラモンさんの命令道理に行動する。

共闘するのだ。
シア隊長
私らの後ろに着いてこい、孤児隊みなしごたい
エル
了解!

シア隊長の言葉に対し、エルはすぐさま反応する。

そして、私たちは歩き出した1番隊の後ろを列になって歩く。

今朝聞いた情報によると、国境を超えるので、かなりの長旅になりそうだ。

ついに敵軍の本拠地が見える場所まで来た。

こんな形で国外に行くことになるとは思っていなかった。

シア隊長が立ち止まり、ポケットから何かを取り出した。

そして、シア隊長はそれをすごい力で遠くに投げる。

隊長が投げた“それ”は、設置した瞬間、炎を上げた。

“それ”は爆弾だったようだ。

その音に気づいたのか、だんだんと人が建物の中から出てきた。
シア隊長
迎撃準備!

隊長が声を上げると、みんな銃を構える。

そしてそれと同時に、副隊長は私たちの更に後ろに並ぶ救護班の元へ走り出す。
シア隊長
······攻撃開始!

副隊長が動いた後、隊長は攻撃開始を告げる。

その声を聞いた瞬間、建物から出てきた敵軍を撃っていく。

次々と倒れる者、助けを求め建物に向かって叫ぶ者。

武器も持たぬ敵軍に、次々と銃弾を浴びせる。

卑怯という言葉はこの戦場において存在しない。

私たちは命令どうりに動く。

······それだけだ。


少しすると、武器を持った敵兵たちが建物から出てきた。

さすがに敵軍も攻撃態勢に入る。

そして、ついに敵軍からも銃弾が放たれる。

次々と倒れる味方隊、敵軍······。
シア隊長
······行け!

負傷者に応急処置を受けさせるため、私たちは前に進む。

後ろでは、救護班が撃たれないよう、ニコ副隊長が狙撃銃を使い援護している。
ニコ副隊長
救護班、負傷者の手当に回るっス!
メルア
了解!
メルア
みんな、動いてください!

副隊長の指示で、救護班の人達も動き始める。

その様子を横目に、私たちは前に前進する。

ひたすら走り、撃つ。

その繰り返し。

次々と目の前で倒れる人々。

気にしては、いられない。
あなた
······っ!

敵の銃弾が私の左足を掠める。

だが、それだけでは立ち止まら理由にならない。

私は血が滲む足を持ち上げながら、走る。

視界の隅に、一瞬右腕のないミラ姉が映る。
あなた
(ミラ姉······)

その時、ミラ姉のあの言葉が脳裏をよぎった。
ミラ
“孤児院に無事に帰るためにも、訓練頑張ろ!”
ミラ
“2人とも、絶対、死なないでね”

その言葉が、私の胸を締め付けた。
あなた
(ミラ姉······ミラ姉······!)

私がミラ姉の方に振り向いた。

その瞬間······

バァァン!

ミラ姉の体に、銃弾が貫通した。
あなた
······え?

ミラ姉はその場に倒れ、撃たれた場所からは血が溢れ出ていた。

信じられない光景だった。

いや、信じたくない光景だった。

今朝まで一緒にいたのに···。

“無事に孤児院に帰る”って約束したのに······。

目の前で血とともにミラ姉という存在が散っていく。
あなた
ミラ、姉···ミラ姉!!
ナミア
ど、どうした、の······
ナミア
み、ミラ姉!?

前を走っていたナミアが私に気づき、駆け寄ってきた。

ミラ姉を見たナミアは既に目に涙を溜めている。
ナミア
う、嘘······ミラ姉!ミラ姉!!
あなた
ミラ姉···起きてよ!
ミラ
·········

私たちがいくら呼びかけても、ミラ姉は返事をしない。

私は、救護班にミラ姉の応急処置をしてもらう為、ある決心をした。
ナミア
ミラ姉!ミラ姉!!
あなた
······ナミア
ナミア
ミラ姉···!
あなた
······ナミア!
ナミア
あなた
私たちは、行くよ···
ナミア
で、でも···ミラ姉が······!
あなた
私たちが前に出ないと、救護班は助けに来れない
あなた
行こう···ミラ姉は救護班に任せよう
ナミア
······わかった
ナミア
行こう···

私たちは再び銃を構え走り出した。

······さっき触れたミラ姉の手は、とても冷たかった。

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