作戦決行日。
私たちはあの日、ラモンさんに言われた作戦を実行するため、訓練をひたすらにしてきた。
私たちは1番隊の人達と敵地に攻め込む。
戦場では、いかなる犠牲が出ようと、自分が死なないために、殺されないために戦い続けなければならない。
それを早朝、エルに告げられた。
死を恐れず、敵兵を全滅させる······
これは、戦場においての心得。
最も大切なこと。
自分の身は自分で守り、味方が倒れようと、自分は進み続ける。
私はそれを肝に銘じた。
列の前で声を上げるのはニコ副隊長。
そして、彼女の隣に立つのはシア隊長。
2人は1番隊の隊長、副隊長だったのだ。
今日、私たちは同じ目的を持ち、ラモンさんの命令道理に行動する。
共闘するのだ。
シア隊長の言葉に対し、エルはすぐさま反応する。
そして、私たちは歩き出した1番隊の後ろを列になって歩く。
今朝聞いた情報によると、国境を超えるので、かなりの長旅になりそうだ。
ついに敵軍の本拠地が見える場所まで来た。
こんな形で国外に行くことになるとは思っていなかった。
シア隊長が立ち止まり、ポケットから何かを取り出した。
そして、シア隊長はそれをすごい力で遠くに投げる。
隊長が投げた“それ”は、設置した瞬間、炎を上げた。
“それ”は爆弾だったようだ。
その音に気づいたのか、だんだんと人が建物の中から出てきた。
隊長が声を上げると、みんな銃を構える。
そしてそれと同時に、副隊長は私たちの更に後ろに並ぶ救護班の元へ走り出す。
副隊長が動いた後、隊長は攻撃開始を告げる。
その声を聞いた瞬間、建物から出てきた敵軍を撃っていく。
次々と倒れる者、助けを求め建物に向かって叫ぶ者。
武器も持たぬ敵軍に、次々と銃弾を浴びせる。
卑怯という言葉はこの戦場において存在しない。
私たちは命令どうりに動く。
······それだけだ。
少しすると、武器を持った敵兵たちが建物から出てきた。
さすがに敵軍も攻撃態勢に入る。
そして、ついに敵軍からも銃弾が放たれる。
次々と倒れる味方隊、敵軍······。
負傷者に応急処置を受けさせるため、私たちは前に進む。
後ろでは、救護班が撃たれないよう、ニコ副隊長が狙撃銃を使い援護している。
副隊長の指示で、救護班の人達も動き始める。
その様子を横目に、私たちは前に前進する。
ひたすら走り、撃つ。
その繰り返し。
次々と目の前で倒れる人々。
気にしては、いられない。
敵の銃弾が私の左足を掠める。
だが、それだけでは立ち止まら理由にならない。
私は血が滲む足を持ち上げながら、走る。
視界の隅に、一瞬右腕のないミラ姉が映る。
その時、ミラ姉のあの言葉が脳裏をよぎった。
その言葉が、私の胸を締め付けた。
私がミラ姉の方に振り向いた。
その瞬間······
バァァン!
ミラ姉の体に、銃弾が貫通した。
ミラ姉はその場に倒れ、撃たれた場所からは血が溢れ出ていた。
信じられない光景だった。
いや、信じたくない光景だった。
今朝まで一緒にいたのに···。
“無事に孤児院に帰る”って約束したのに······。
目の前で血とともにミラ姉という存在が散っていく。
前を走っていたナミアが私に気づき、駆け寄ってきた。
ミラ姉を見たナミアは既に目に涙を溜めている。
私たちがいくら呼びかけても、ミラ姉は返事をしない。
私は、救護班にミラ姉の応急処置をしてもらう為、ある決心をした。
私たちは再び銃を構え走り出した。
······さっき触れたミラ姉の手は、とても冷たかった。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。