_あなたside_
通学路を歩いていき、
遂に校門の前まで辿り着いた。
なんか一人で登校するの久しぶりじゃない?
今までは三里かなんやかんやで
論と登校してけど…
三里は一緒に帰ることがほとんどだから
朝は滅多に登校しないし…
論とはよく一緒に登校してるけど、
今日は多分GWのことがあってから
気まずくなっちゃったんだろうな…
と思いながら一人でのそのそと歩いていると、
と三里に声をかけられた。
別に種類は前から使ってるのと同じだし、
特に変わったことと言えば
"アクセサリーが付いてる"ことくらい……
ん?このアクセサリーって……!
そういえばそのアクセサリー…
同じヤツまだ論にあげてなかったな…
でも絶対いつか渡せるように、
莉夢ちゃんのぬいぐるみと一緒に
バッグの中には入れてあるんだけど、
今日のような気まずい雰囲気じゃまだ渡せそうにないな。
すると三里は私の頭に手をのせてきた。
なんてカッコいいことを言うんだ君は…!
絶対"少女漫画"とかでめっちゃ
モテる系の男子だわ。
だってドキドキしちゃうじゃん!?
こんなのに耐えられる人いたら逆に尊敬するわ。
そして私達はそんなに会話をしているうちに、
あっという間に教室に着いてしまった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!