第26話

twenty-sixth
247
2024/04/26 09:00
涙腺崩壊注意
ちぐさside
ちぐさ
...
雰囲気が暗い
みんな、少しずつ終わりを意識し始めている
あと、四日
やりたいことが沢山あったはずなのに、いざってなると、分からなくなってくる
静かな工場の中、風の音が聞こえるだけ
あっきぃside
奇跡的に電話が繋がった
今まで携帯すら使えなかったのに
あっきぃ
うん
家族に、電話をかけた
あっきぃ
最後、一緒にいれなくてごめん
あっきぃ
俺、よかった
あっきぃ
楽しかった、母さん達の子供に生まれて
あっきぃ
沢山、迷惑かけたよね
あっきぃ
沢山泣かせちゃったよね
あっきぃ
辛い時は、慰めてくれたね
あっきぃ
何度、一緒に笑ったかな
あっきぃ
ありがとう
あっきぃ
ずっと伝えられなかったよね
あっきぃ
二十五年間分の、愛してる
まぜ太side
あっきぃが電話が使えるようになったって、
一人暮らしを始めてから、ずっと実家には帰ってなかった
まぜ太
俺も電話しようかな
あっと
ん、行ってくる?
まぜ太
うん
...
まぜ太、?
まぜ太
母さん、
よかった、もういなくなっちゃったかとっ...
まぜ太
母さん、泣いてる、?
まぜ太
ごめんっ、
まぜ太
最期、一人にしちゃう
いいよ、大丈夫
まぜ太
母さん
ん?
まぜ太
俺のこと、育ててくれてありがとう
まぜ太
俺、何回も母さんに迷惑かけてた
まぜ太
なのにっ、
まぜ太
何回も、ありがとうって伝えられてなかったっ
うん
まぜ太
何回も、母さんのこと泣かせた
まぜ太
負担かけてた
まぜ太
でもそれ以上にっ、何回も一緒に笑ってくれたっ...
まぜ太
っ...
まぜ太
ありがとう
まぜ太
ありがとうっ...
まぜ太
あい、してるっ...
言い慣れない言葉を、電話越しの貴方に

 
残り、四日

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