あなたが目を覚ますと、そこは柔らかい寝台だった。
部屋の中を見回すと、物は必要最低限しかなく、綺麗に整えられてある。
きょろきょろと部屋を見回すあなたを窘めると、ぷりっつは寝台の端に座った。
否定しようとするあなたを黙らせるように、ぷりっつが覆い被さる。
組み敷かれたような体勢に動揺し、あなたの頬が赤く染る。
以前は聞けなかった。あなたは彼に近付いてはいけないから。
その言葉の意味を聞いても、返事は一つと決められているから。
『どういう意味ですか』
静かな空間に、祭りの余韻の賑わいがやけに響く。
彼の頬が赤い。
私も貴方が好きだと、言えたらいいのに。
口から出そうになる言葉を、唇を噛んで抑え込んだ。
しっかり休め、と言って、ぷりっつは部屋を出て行った。
数時間前
苛立ちながらぷりっつが早足で宴会場へ向かうと、下婢が中へ声を掛けた。
下婢が襖を開ける。
そこには、床に倒れるあなたと落ちた盃。
ぷりっつはすぐに状況を理解した。
声を荒らげる慶次を無視し、あなたを抱き上げる。
ぷりっつはあなたを抱えたまま、宴会場を出た。
未だ怒りが収まらない様子でぷりっつが言い放った。
詩織はこくりと頷く。
続く













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。