それから数ヶ月。
そう、今日はいよいよ嫁入りだ。
そう言って零華は口を開けて大きく笑う。
零華はわざとらしくあなたの後ろに隠れてぷりっつを威嚇する。
子供のようにべーと舌を出して挑発するのを忘れず、零華は部屋を出て行った。
そんなやり取りをしていると、襖の奥から声がした。
大きな庭園に設営された舞台の上に、ぷりっつとあなたは並んで座る。
いよいよ式が始まった。
貴族の方々による祝言が次々と述べられる。
あなたがぷりっつの方をちらりと見ると、彼は退屈そうに目を瞑って欠伸をしていた。
その言葉を聞いて、半分寝かけていた意識が急に現実に引き戻される。
大きな盃に並々と注がれたそれは、確かにあの時飲んだ神酒だ。
神酒を飲まなければ鷹羽家に嫁ぐ事が出来ないと言うことは事前に聞いていたが、いざまた飲むとなるとあの時の苦しさが蘇って来てしまう。
もしまたこの神酒を飲み、倒れてしまったりすればこの結婚は確実に無かったことになる。
そう考えると、盃を持つ手の震えが止まらなくなる。
不安で胸がいっぱいになっていると、横に座っていたぷりっつが安心させるようにあなたの手を握った。
彼にそう言われると、本当に飲めてしまうような気がしてしまう。
いつの間にか手の震えは治まっていた。
そう言って一気に盃を飲み干す。
皆の視線が集まっているのを感じながら、時が流れるのを静かに待った。
ぷりっつはあなたの頭をぽんと撫でる。
そう言って顔を合わせて笑い合う。
胸いっぱいの幸せを感じながら、二人は初めての口付けを交わした。
終わり
あとがき
最後までお読み頂きありがとうございました。
前作から続けて見て下さった方も、今作から見て下さった方も、全ての読者様に最大の感謝を!
今回は少し長めのお話だったので、途中で何ヶ月も休んだりしてしまっていたのですが、皆様のいいねやコメントに励まされて無事完結まで書き切ることが出来ました。本当にありがとうございます。
薬草や植物、平安時代についての知識も全く無いので全て調べて書いていますが詳しい方が読んだらきっと違和感だらけだろうなぁと思っています。
もしそんな方がいたら気が付かない振りをしていて下さい(笑)。
それと、本当はもう少し萬堂メンバーとも親交を深めていってもらう予定だったのですが、そこまで書いてるとぐだっちゃいそうだなと思いやめました。
いつかスピンオフ的な感じでそっちも書けたらいいなぁとは思っていますが、きっと書くことは無さそう(笑)。
結婚後の生活なんかは全て読者さんのご想像にお任せします。
変わらず二人で診療堂で働くも良し、新婚生活を楽しむも良し、読者様の数だけ結末は存在します。
こんな終わり方も楽しんで頂けたらなによりです。
それではまた次回作でお会い出来たら嬉しいです。
最後までお付き合い頂きありがとうございました!

↓前作はこちら
↓次回作連載開始しました。ぷりっつさん、まぜ太さんをメインに書いた学園ラブコメです。是非覗いてみて下さい。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。