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第46話

婚礼の盃
2,021
2024/05/03 20:19 更新

それから数ヶ月。


零華
やだぁ!ほんと可愛い!
あなた
零華さん!わぁ、今日は一段と美しいですね!
零華
当たり前よ!なんせ私に可愛い可愛い妹が出来る大事な日なんだから!


そう、今日はいよいよ嫁入りだ。


零華
それにしても、あの生意気な弟がこんな可愛い女の子連れてくるなんてねー。私、てっきりあの子は男色なのかと思ってたの!
そう言って零華は口を開けて大きく笑う。
ぷりっつ
姉貴、大きな声でそういう事を言うのは辞めてくれないか。
あなた
ぷりっつ!いらっしゃったんですね。
零華
なによ私に似て憎たらしい美形ね!こんな可愛い子捕まえて調子に乗ってるんじゃないわよ!
ぷりっつ
相変わらず顔を合わせる度に騒がしいな。
零華
あなたちゃん、あいつが虐める〜。
零華はわざとらしくあなたの後ろに隠れてぷりっつを威嚇する。
あなた
こら、お姉さんにそんな事を言ってはだめですよ。
零華
もっと言ってやれ!
ぷりっつ
妖より厄介な奴だな。早く出てけ。
零華
ほいほい、邪魔者は退散しますよーだ。
子供のようにべーと舌を出して挑発するのを忘れず、零華は部屋を出て行った。
あなた
もう準備は整ったのですか?
ぷりっつ
ああ。お前の晴れ姿を一番に見ようと思って来たんだがな。一足遅かったらしい。
あなた
それは残念、お姉さんが一番乗りでしたね。
ぷりっつ
ま、あなたの美しさに免じて姉貴の事も不問にしといてやるか。
そんなやり取りをしていると、襖の奥から声がした。
下婢
ご準備が整いました。
大きな庭園に設営された舞台の上に、ぷりっつとあなたは並んで座る。


いよいよ式が始まった。
貴族の方々による祝言が次々と述べられる。

あなたがぷりっつの方をちらりと見ると、彼は退屈そうに目を瞑って欠伸をしていた。
次は、婚礼の盃になります。
その言葉を聞いて、半分寝かけていた意識が急に現実に引き戻される。
大きな盃に並々と注がれたそれは、確かにあの時飲んだ神酒だ。



神酒を飲まなければ鷹羽家に嫁ぐ事が出来ないと言うことは事前に聞いていたが、いざまた飲むとなるとあの時の苦しさが蘇って来てしまう。
お飲み下さい。
もしまたこの神酒を飲み、倒れてしまったりすればこの結婚は確実に無かったことになる。

そう考えると、盃を持つ手の震えが止まらなくなる。
ぷりっつ
大丈夫だ。
不安で胸がいっぱいになっていると、横に座っていたぷりっつが安心させるようにあなたの手を握った。
ぷりっつ
必ず飲める。安心しろ。
彼にそう言われると、本当に飲めてしまうような気がしてしまう。

いつの間にか手の震えは治まっていた。
あなた
…ありがとうございます。


そう言って一気に盃を飲み干す。



皆の視線が集まっているのを感じながら、時が流れるのを静かに待った。



おめでとうございます。新たなる鷹羽家の未来に、皆様拍手をお願いします。
あなた
飲めた…
ぷりっつ
よく頑張った。
ぷりっつはあなたの頭をぽんと撫でる。
あなた
私、こんなに幸せで良いのでしょうか…
ぷりっつ
俺の方が幸せだから、お前がだめなら俺もだめだな。



そう言って顔を合わせて笑い合う。


胸いっぱいの幸せを感じながら、二人は初めての口付けを交わした。

終わり
あとがき

最後までお読み頂きありがとうございました。
前作から続けて見て下さった方も、今作から見て下さった方も、全ての読者様に最大の感謝を!

今回は少し長めのお話だったので、途中で何ヶ月も休んだりしてしまっていたのですが、皆様のいいねやコメントに励まされて無事完結まで書き切ることが出来ました。本当にありがとうございます。

薬草や植物、平安時代についての知識も全く無いので全て調べて書いていますが詳しい方が読んだらきっと違和感だらけだろうなぁと思っています。
もしそんな方がいたら気が付かない振りをしていて下さい(笑)。

それと、本当はもう少し萬堂メンバーとも親交を深めていってもらう予定だったのですが、そこまで書いてるとぐだっちゃいそうだなと思いやめました。

いつかスピンオフ的な感じでそっちも書けたらいいなぁとは思っていますが、きっと書くことは無さそう(笑)。


結婚後の生活なんかは全て読者さんのご想像にお任せします。
変わらず二人で診療堂で働くも良し、新婚生活を楽しむも良し、読者様の数だけ結末は存在します。
こんな終わり方も楽しんで頂けたらなによりです。


それではまた次回作でお会い出来たら嬉しいです。
最後までお付き合い頂きありがとうございました!





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↓次回作連載開始しました。ぷりっつさん、まぜ太さんをメインに書いた学園ラブコメです。是非覗いてみて下さい。

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