〈 関係 〉
恋人
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赤葦side
赤葦 「 ずっと前から先輩の事が大好きです 」
「 僕と付き合って下さい 」
その一言から始まったこの関係
正直断られる可能性の方が大きいと心配だった
あなた 「 …!?私なんかで良ければ是非、!! 」
そう返ってきた時は酷く驚いた
俺は心の中で思わず舞い上がった
すると
あなた 「 でも1つだけお願いしたいことがあるの…」
「 いいかな…、? 」
あなたさんにしては珍しく
お願い事をしてきた
赤葦 「 …? なんでしょう? 」
あなた 「 あのぉ、…その、/ 」
照れ隠しなのかそっぽを向いて頭を搔く先輩が
もう愛おしくて仕方がなかった
赤葦 「 なんですか笑 」
…
しばらくの沈黙を破ったのはあなたさんだった
あなた 「 昔から上下関係に苦手意識があってさ、」
「 京治くんって今私のことを"さん"付けしてるでしょ?」
「 だから出来れば呼び捨てがいいなぁ…とか、」
え
あなた 「 やっぱり変だよねごめん…!!!!!!汗」
赤葦 「 それだけでいいんですか? 」
あなた 「 ……へ、? 」
もっとなんか深刻な事かと思ったら
思った以上に可愛いお願い事だった
赤葦 「 そんなのお易い御用ですよ笑」
そう言うと先輩は「よかっだぁぁぁぁぁぁぁぁ…」ととても安心した顔をした
赤葦 「 じゃあ約束ですよ? 」
「 "あなた" 」
あなた 「 …約束だよ"京治"!!、//」
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赤葦 「 本当に何も思い出せませんか…、? 」
この質問を聞くのは一体何万回目だろう
あなた 「 ごめんなさい本当に何も覚えてなくて、 」
あなたは付き合って丁度5ヶ月の時巻き込み事故にあい
何とか一命は取り留めたが頭蓋骨を酷く損傷してしまったため
記憶が全てなくなってしまった
事故から2週間たった今でもまだ実感できてない
ってよりは実感したくない
ずっと一緒に居た思い出はもうあなたは思い出せもしない
そんなの信じれるわけないだろ、
あなたが何をしたって言うんだよ、
宛先のない怒りが収まらない
その時
あなた 「 でも何故か1つだけ覚えてるんでよね、」
このたった1つの言葉にどれだけ希望を持ったことか
赤葦 「 …!?どんな事ですか、!? 」
あなた 「 本当に曖昧なんですけど 」
「 なにか大切な約束をした気がするんですよね、 」
「 しかも赤葦"さん"と 」
赤葦 「 …バカ、 」
あなた 「 …えぇぇぇご、ごめんなさい!!!!!! 」
せっかく
やっとあの時の約束を思い出したって言うのに
今その約束を破ったら
何の意味もないじゃないですか、
「 あなたッ、 」
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【 誓約⠀】
必ず守ると約束すること。またその約束。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。