第19話

森田剛編 第19話
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2022/11/29 09:42
そして私が剛(ごう)君の家を探している頃、三宅さんは、剛(ごう)君ちから帰ろうとしていて。

三宅健
じゃあ、俺は帰るね?ちゃんと寝てなきゃダメだよ?熱あるんだから。あと、みんなからメール届くと思うし、お大事にね!
森田剛
長野君にもお礼言わなきゃだな。それと、健。来てくれてありがとう。話も聞いてくれてありがとう
三宅健
あれれ?今日は素直だねー。全然いいよ?何時でも聞くよ!剛(ごう)のためなら例え嵐になろうとも!
森田剛
いや、嵐はダメだろ!お前が危ないから
三宅健
あはは!冗談だよ本気にしないでよ!
森田剛
ケホケホ
三宅健
あー、もういいよ!寝てなって。じゃあね
いつも通り彼は明るく言うと、パタンと静かにドアを閉めた。
三宅健
(病気の時くらい静かにしなきゃね)
彼なりの気遣いだった。
そして健は、剛(ごう)の部屋から少し歩いてきたところで、女の子がウロウロしているのが目に入った。
てには、俺が買うか買おまいか迷っていた花を含めた花束を手に持っている?
もしかしてあの子が?
(なまえ)
あなた
えっ(;゚Д゚)!み、三宅さん?
わたしは、剛(ごう)君ちら帰ると思われる三宅さんとバッタリ会ってしまった!
三宅健
ねぇ?君ってここの住民?
(なまえ)
あなた
えっ?ま、まさか。住民だったらウロウロしませんよね?
三宅健
あっ、そっか
(なまえ)
あなた
じゃなくて・・・あ、あの!剛(ごう)君・・・じゃないや森田さん!森田さんの具合は?
といきなり言われ・・・
三宅健
ただのファンなら断るんだけど・・・・
(なまえ)
あなた
・・・・っ。で、ですよね・・・・
彼女は、花束を隠した。
三宅健
ねぇ?君ってさこの近くの花屋で働いている子?
(なまえ)
あなた
あっ、いえ。この近くの店は姉妹店なんです。時々、手伝いに行くだけで・・・。今日も本当はヘルプに来たんですけど、配達頼まれていて・・・
と、なぜだか真面目に説明してくれる彼女に好感をもてた健は、
三宅健
そっかァ。だからいなかったんだ
(なまえ)
あなた
あの!わたし、剛(ごう)君にひどいこと言っちゃって・・・これ、お見舞いの花と、クッキーです
とさしだされた。
(なまえ)
あなた
迷惑なのわかってます。でも今渡さないと・・・・
三宅健
・・・・206号室・・・・
(なまえ)
あなた
えっ(ドキン)
耳元で囁かれ・・・
三宅健
剛(ごう)の部屋番。
知りたいんでしょ?
(なまえ)
あなた
えっ・・・・でも・・・
三宅健
君さ、あなたの下の名前ちゃんでしょ?
(なまえ)
あなた
え!どうしてそれを!
名前を知られててビックリ!
三宅健
いや?なんとなくだけど剛(ごう)の心に引っかかる女の子の名前は聞いていたから
(なまえ)
あなた
!?
私は咄嗟に顔が赤くなってしまった
三宅健
あはは!当たりだ
だけど健は、そんなあなたの下の名前が可愛いと思った。
きっと彼女は、剛(ごう)のことを好きになってくれたに違いないとピンと来てしまったからだ。


剛(ごう)にはもったいないよ。

きっと自分が先に出会っていたら、恋をしていただろう。

密かにそうおもった。

三宅健
剛(ごう)のやつ、君が来るのを待っているんじゃないかな
(なまえ)
あなた
えっ(;゚Д゚)!私を?まさか・・・
嫌いって言っちゃったし・・・
三宅健
だって普通、特別な人しか家を教えないし。特に剛(ごう)に関しては連絡先交換するとかレアだよ?一般人の君に教えるなんて気に入ってる証拠じゃん?
(なまえ)
あなた
・・・・・
彼女はまた黙ってしまった。
三宅健
ねぇ?会いにくい理由でもあるの?
(なまえ)
あなた
嫌いと彼に言ってしまったから・・・
三宅健
いや、花束用意して来たのに?
嫌いって言ったことよっぽど気にしてるんだ
(なまえ)
あなた
やっぱり、お願いします!
と差し出される。
三宅健
えっ?でも俺も今行ってきたばかりだし・・・・。俺の方が行きにくいよ
三宅さんのその言葉を遮るようにわたしはお見舞い品を預けると
(なまえ)
あなた
お願いします!
すぐに走り出した
三宅健
えっ!ちょっと!待って!
三宅さんが、そう言いながら追いかけてくる
(なまえ)
あなた
えっ(;゚Д゚)!
そして私の腕を掴み・・・
三宅健
ねぇ!剛(ごう)に話があるから部屋にお見舞いに行くんでしょ?ただの仲じゃないよね?
(なまえ)
あなた
・・・・・・
三宅健
安心して?誰にも言わないから😉💗
三宅さんにウィンクされて、口には人差し指を当てている。
彼の得意なファンが喜びそうな顔だ。

信じていいのだろうか?
三宅健
この花は君が作ったんでしょ?剛(ごう)のために
(なまえ)
あなた
・・・・・
三宅健
君が心込めたんだから君が持っていかなきゃ意味ないじゃん。お花もそう言ってるよ?
(なまえ)
あなた
でもわたし、彼に嫌いって言っちゃったんです。確かに、会う気ではいましたけど・・・・
三宅健
本当は、好きなのに?
(なまえ)
あなた
そうです。気付いてしまったんです。今まで好きだった人の事じゃなくて、私の頭は剛(ごう)君でいっぱいになっちゃって
三宅健
(可愛いこと言う人だなぁ)ん?他に好きな人いたんだね・・・(あれ?そういえばそんなこと言ってたか)
⤴忘れやすい人
(なまえ)
あなた
剛(ごう)君がいつも後ろにいて背中を押してくれたから・・・・
三宅健
そっか、そうだったんだ
(なまえ)
あなた
あれ?私ったらなんでこんな話
三宅健
はは!心の声がダダ漏れだよ(笑)
(なまえ)
あなた
す、すみません。
三宅健
全然!むしろすごくいい!頑張れ!きっと大丈夫だから!君の顔を見たら、剛(ごう)の風邪なんてすぐ治っちゃうよ
(なまえ)
あなた
そ、そうかな・・・・(/// ^///)
わたしは、健君に背中を逆に押され、そして意を決して剛(ごう)君の部屋の前に来た。
(なまえ)
あなた
き、緊張します
三宅健
いい?せっかくここまで来たんだから逃げちゃダメだ!もう見てるだけじゃダメなんだからね!
(なまえ)
あなた
・・・・・ですよね・・・・
三宅健
相手がアイドルでも、(って俺もだけどさ)にんげんなんだし、男と女なんだからさ、惹かれ合うのは運命だよ!!自分の気持ちを信じて!!
(なまえ)
あなた
あわありがとうございます・・・・
三宅さんに貰った言葉はまるで魔法を掛けられたように説得力があった。

意を決して、彼の部屋のインターフォンを鳴らした。

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