第14話

夏のスタートライン
52
2021/08/20 11:00 更新
数学オリンピック。
私の掌に収まったそれは、私の中の足りないピースを綺麗に埋めるように、すっぽり納まった。
晴夏ちゃんの事を割り切ろうとして必死になっていた今迄が、私を呑み込んでいた不安定な夏が、全て透明になった気がした。
人って心持ち次第で180度変わるものだな、と頭の隅の私が呟く。











数学が、好きだ。
証明も、計算問題も、方程式も、関数も。


だから、私は進まないといけない。
柵とか、心の奥につっかえるものは今もずっとある。
晴夏ちゃんの件、まだ私の中では解決してない。
そして、これからも、多分悩み続けるんだと思うし、その度に同じことを考えて自分が嫌になるんだと、思う。


でも、だからこそ。









────走り出す準備は、もう出来た。















────進め、私。

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