私の頬を涼しい風が横切る
飛ぶには最高の天気だ
これで飛べなかったら最悪だが。
いつもより落ち着いた私の声
「成功の私」しか見てなかった母は
こんな変化に気が付く訳がない
家の大黒柱
父親
この家の中で地位が一番高い
暴力でなんとでもなると思っている
汚い大人
そんな父が話しかけるのは
ごく稀である
特に、私がなにも犯していないときは。
無理矢理呼ばされている
「お父様」
母にも呼ばされそうになったが
母の方が、地位が高いと思わされたくない
だる。
父の言葉を聞いて最初に思った言葉だ
だって、今日はサボるし
通学に使っている電車も
今日は違う
「次は北山駅です」
車内アナウンスだ
ここが終点
まだ電車に揺られていたかった
というのが本音だが
ずっと居座る訳にもいかないから
ゆったり電車を降りる
行く宛てがない
そしてここは物凄く田舎
飲食店はともかく、
コンビニエンスストアさえ見つからない
さっさと帰らないと、理想の時間に追いつかない
貸切空間の電車
暖房が効いていて
暖かい
私が着ている制服と同じもの
同じクラスなのは知っているが、
何故、勉強大好きな宗宮耀が居るのだろう
ただただ純粋な疑問をぶつけた
ブーメランだったらしい
軽やかに、鈴のように
言う彼女は凄く嬉しそうだった
耀、、、は何か違う気がしたから
一番しっくりきた「耀ちゃん」にすることにした
世間一般の優等生とは思えない明るさ
それでいて、頭も良い
天は耀に何物与えているのだろう
「学校」なんて素直に言えない
サボってなんで学校に行くの?
という疑問を向けられそうだったから
いつも通りの作り笑顔
「いつも通り」ならバレない
嘘だけど
勘なのか、
顔に出ているのか
どっちにしろバレてはいけない
このとき、耀は何故か躊躇った
唐突な話し始め
このとき、
ドクン
そんな音が胸から聞こえた
そんな訳があったら、
耀にとって可笑しい人になってしまう
私は、誰の普通でもある人間にならなければ
小さな疑問
その疑問の答えは、私がしにたい理由と似ていた
私は黙り込んでいた
だって、、、
私もこんなに汚い大人にもなりたくなかったから
地球上以外にはこんな汚いものは存在するのか知りたかったから
しんで、
生きるっていう行為に意味があったのか知りたかったから












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。