こったろさんがすたぽらに加入し、四ヶ月が経つ。
僕もこったろさんも色々と打ち解けてきたというタイミングで、二人目の受験者の面接日が訪れた。
……こったろくん、初めて会った時よりも確実に表情が明るくなっている。
僕はそんな顔を見て、いつも嬉しい気持ちが出てくるんだ。
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今回からは、生配信のカメラとして社長が造った特製のドローンが数個用意された。
僕や受験者を追ってくれる高性能だという。
前回、先輩たちがあまりにも心配しすぎて手を加えてしまった反省としてこういう手段に切り替えたらしい。
______________今回の目的地は「お墓」
受験者がここ以外で闘うのがどうしても怖いと主張してきた。
種族に寄らず、怖がりな者なのだろうか。
僕は目的地に進みながら受験者について頭の中で考えていたら、ある一人の狐のお面を被った男に道を塞がれた。
……人間がなにロボットのような事言ってるんだろう。
興味深い。少し、遊ぼうかな
_______________戦闘シーンはまた後々動画載せるので省きまーす
彼は本当に剣使いだったのか?
剣使いにしてはガードが甘かったなあ。
強キャラ感出しとして、結局はこんな程度か。
______________道中の出来事からまもなくして、目的の場所についた。
そこはついて、真っ先に目に留まったのは美しい桜。もう6月なのに、こんなに咲き誇っているなんて。。
そんな桜に目を奪われていたら、静かに受験者は現れた。
写真で見た時よりも…薄い?
肌も真っ白で、服も袴のような。。布を巻かれているだけの服装をしている。
彼は…亡霊という種族だと聞いた。
亡霊は、元々は人間で、亡くなってしまった方が成仏出来ずに身体ごと温もりも重みも感じられるほど形が残ってしまった種族。亡霊になった人の死因は「突然死した若人」が多いとされている。
くにさんは、ずっと表情を変えず大きな桜の木の前にキョトンと浮いている。
まるで死後の世界を知っているかのような、そんな不気味な雰囲気が漂う。
その不気味さをより引き立てているのは、本人の謙虚さ。こんなに恐怖なオーラを纏っているにも関わらず、当のくにさんはどこか自分を小さくしている。このオーラとのギャップが恐ろしい。
口調も、手振りも穏やかでくにさんの育ちの良さが見て分かる。
そしてこの人は超強いであろう。雰囲気だけで察知してしまうということは相当であろう。
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イメージ的はこういう感じです。
赤い服を着ている茶髪の子がこえくん、ピンク髪の青い服を着ている子がくにくん、緑の服を着た銀髪の子が道中に出てきた狐仮面男
として見てくれたら嬉しいです。
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戦いが終わった後、気づけば僕は余韻に浸っていた。いや、浸かりたかった。
だって……戦いがおわった直後、
綺麗だった桜、生い茂っていた草や花たち、蛍までもが一瞬にして消え去ってしまった。残ったものは、茶色い桜の木々と、延々と続くドス黒い土のみ。
僕が見ていたのは幻覚だったのか?くにさんとの戦闘は一体全体どんな効果が及んだのか。身体が震えて仕方がない。
さっきの事など無かったかのように、くにさんは現れた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。