第5話

未成年受験者の面接、こったろ加入編
219
2023/07/30 05:32
こったろさんが完全に回復したのはあれから30分後の事だった。
こったろ
さっきはありがとうございます。
こったろ
こんな僕のために色々と……
Coe.
いや、いいんだ。
Coe.
僕は君のことについて知りたい。君が喋らないとダメなんだ。
こったろ
……はぁ
こったろ、苗字不明。12歳の人間。
身長154㎝、魔法特効あり。

……逸材の素質あり。

か弱いフリしたって、僕の目は騙せないよ。
Coe.
君は強い。
Coe.
強すぎる…なんでこんなに強いの?
こったろ
えっ……頑張ったからですかね
Coe.
いや、何かあるはず。なんでこの会社を受けようと思ったのか。
Coe.
12歳はまだ会社には務められない。でも、僕は君を採用した。
Coe.
……こったろさんに居場所を与えたかったんだ。
こったろ
………
僕は面接官らしくもない口調で、こったろさんに問い詰めた。

僕は面接をしたいんじゃない。今はこったろさんを知りたい。知りたいんだ。
こったろ
絶対……笑わないって約束して下さい。
Coe.
約束、守るよ





💜
______________僕は、北朝鮮から日本に脱国した北朝鮮人だ。
でも、両親もろとも空港に入る僕を庇って、国の戦隊の方々に囲まれ連れ去られてしまった。

元々僕は北朝鮮視点では貧しい方ではなく、むしろ裕福な方だった。このままずっと北朝鮮にいれば、今も習い事や勉学に追い込まれながらも親愛していた両親と暮らせたのだろう。

けれど、僕には夢が出来た。

その夢は、北朝鮮にいる限り絶対に叶うはずもない遠い夢……だった。でもその時僕は何を思ったのか、両親に夢について話して、この国から脱国したいと告げた。

………両親は優しかった。僕のその微かな願いを受け入れ、日本に一緒に行こうと背中を押してくれた。
両親を連れて、日本に行くこと。
日本に来たらいつかその選択を許してくれた両親に親孝行をすること。

これが大きな人生の目標になった。
のだが………

バレてしまった。僕たちが北朝鮮人で、日本に逃げようとしている事が。
僕は必死に両親を引っ張り戦隊の人たちから助けようとしたが、そうやればやるほど僕も連れ出そうと動き出された。

…その時、母親が「逃げなさい」と大きな声で叫んだ。普段無口な母親が。

僕はその母の大きな声に押されたかのように飛行機に乗り、ここに来た。

❤️_____________________
こったろ
……日本語は2歳の頃からずっと習ってきたから、日本にいて苦しいとは感じなかった。
こったろ
だけど、日常で僕の日本語がおかしい時があるらしくて
こったろ
その時は必ずクラスの人に馬鹿にされる。
こったろ
先生も僕が北朝鮮人の孤児だと知っているからか、何も言わない。怖がられている。
Coe.
………
僕は地理がどうしても出来ない。

だから北朝鮮がどんな国なのかは詳しくは知らないけど……こったろさんは「生まれた国が違う」というだけで、今まで日本で馬鹿にされ続けていた。

北朝鮮という言葉を聞いた大人は、こったろさんを怖がり避けている。

それを聞いた僕は、なんともやるせない気持ちになった。こんなの差別だ!!!
Coe.
…違う国に住んでたのに、日本語話せるって天才じゃん。
Coe.
社会に出ればきっとその辛い事も武器になる。
Coe.
僕のグループに入って欲しい。
Coe.
こったろさんの夢ももしかしたら叶うかもしれない。
こったろ
……いいんですか?
Coe.
うん、僕がこったろくんの苦しかった過去を洗いざらい流してみせる。
こったろ
とっても嬉しいです。
____________こったろ編完



忘れてた、こえくんのプロフ

こえくん この時6歳
身長115㎝、学校は不登校
大学までの単位は勉強済み
得意教科 歴史、音楽、国語
歴史は「幼児連年加害殺人事件」が好き。
心理学の資格を持っている。
夢は「妖怪と人間が共同し生きていく社会を作ること」。
ないこくんとは親子関係だが、血のつながりがない。


こったろくん、この時12才
154㎝、学校は行ったり行かなかったり。
北朝鮮人、元々裕福な家庭だったため、日本語の勉強は2歳からやらされていた。
夢は………こと。
北朝鮮で受けてきた不遇さ、日本で受けてきた差別偏見により人を信じる事が出来なくなっている。両親は母国にいる。

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