Prolog
14話
H.side
きっと僕達のことを何より大事に考えてくれているのだろう
全員がないちゃんの方に視線を向ける
数分後、震えた声色が聞こえた
正直、この返事がくるとは思っていなかった
いふくんの言う通りなんだ
僕がないちゃんの立場になったら、きっとその選択をすることは出来ないから
ないちゃんが静かに首を振る
しょーちゃんは前が見えないんじゃないかと思うほど涙を流していた
今までの友達の姿が思い浮かんだ
みんなは天国で暮らしているのだろうか
お父さんとお母さんも
静かに俯き泣いていたりうちゃんが突然声を発した
その声は本当に苦しそうで悲しそうで
思わずこっちまで涙を流しそうになってしまうほどだった
言い終わったりうちゃんがその場で崩れた
唐突なことだから当然かも知れない
僕は、今このまま死を願っていてもいいのだろうか
それはみんなを苦しめるだけにならないのだろうか
でも、染み付いたものを拭い切ることは出来ないみたい
目の前で泣いているメンバーを見ても僕はそれを願っていた
今より未来を見て、その可能性を消したいと思ってしまっていた
りうちゃん、ないちゃん、アニキがそう決断してくれた
みんなの気持ちを考えると自然と涙が頬を伝っていた
みんな優しいから、僕の気持ちを優先して決めてくれたんだろう
きっと自分達の本心を無碍にして
特にいふくんやしょーちゃんはその考えが強かったように見えた
生きなくて良くなる安心感、みんなを苦しませてしまう悲しみで涙が絶え間なく溢れる
本当に久しぶりに死が顔を見せたんだ
天国があるとしたら親や今までの親友に会うことが出来る
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!