昔から知り合いだと言う彼と生活して半年以上たった。
病院より後の事は覚えているのに、
それより前の事はいまだに思い出せない。
少しそれでもいいかとも思いだしている。
こんなにも親切にしてくれて優しい人がそばにいて、
私はそれ以上に望む物は正直ないんじゃないかと思った。
今日は遅くなるって言ってたから驚いてうまく声にならなかった。
うん、うん。と頷いてみせた。
長らく料理もしていないし食材もない…
彼は私に何かしろと言うわけでもなく
いつも合理的な物を選んでくれる…
それが時折とても申し訳なく感じる。
そう言われると何も言えない。
そういえば長らく外に出てない。
彼の案に賛同した。
久しぶりの外の空気は新鮮で、
何気ない買物だったけど楽しかった。
なにより彼も嬉しそうだった。
彼の顔が曇ったような気がした。
そそくさと家に入るように促された。
なんだか難しい顔をする彼。
私、変な事言ったかな…
その日もテソンは遅くまで仕事をしていた。
邪魔しちゃ悪いと思い私は先に寝室に入った。
独り呟いて眠りについた。
信号の向こうにテソンがいる!
また行こうねって言ったから外に連れてってくれたんだ!
私は嬉しくてテソンに手を振る。
『なんで、お前なんだよ、死ねよ』
私は驚いてベッドから落ちた…。
大きな音と震える私に驚く彼…
なんて言えばいいかわからなくて、
見た夢をそのまま伝えた…
そっと背中を撫でてくれる彼の腕の中で
私はただ、ただ、泣いて彼を困らせた。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。