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朝ご飯もいつもより多めに食べられたし
体調も今のところ問題はないということで、
院内学級に行っていいと先生に言ってもらえた。
そんなわけで、音ちゃんと並んで廊下を歩いている。
まだ院内学級に行ける年ではない2人は、
プレイルームに遊びに行っている。
早く4人で勉強できるようにならんかなぁ...!
実は、2人とも院内学級に行くのは数日ぶりのことだった。
音ちゃんは熱を出して寝込んでいたし、
あたしは治療のクールだった。
だから、久しぶりに許可が下りてすごく嬉しい。
でもはしゃぎすぎるといつも振り返してしまうから、心配...
案の定、話しすぎたのか咳き込んでしまった。
頬を膨らませつつだけど、頷いてくれた。
音ちゃんが嫌なのももちろんやけど、
あたしだって1人で勉強なんて嫌だった。
ずっと一緒に過ごしてきたからか、
いつの間にか音ちゃんの症状も分かっていた。
嬉しいような、悲しいような。
とりあえず嘘はついていないようなので、
無言なのもなんだし妥協案を。
ぱあっと明るい笑顔に変わる音ちゃんを見ると、
無邪気で可愛いな、と思う。
音ちゃんを見慣れていない人だと、当てられてしまうかもしれない。
友達として、家族として、ずっと一緒にいたい。
そしていつか病院の外に出たい。
そんなことを思いながら、固く手を結んで歩く。
...その姿をこっそり見ていた2人の看護師さんが顔を見合わせてニコニコしていたことは、誰も知らない...
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アンケート
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。