あれから、私が脇を振った日を境に
私と脇は、話さなくなった
そりゃあ、なんか気まづくて
脇は私と目を合わせたりするけど、
私が無意識にそらしちゃう
それで、その後からは目も合わせないようになった
ダンスになったら興奮するんだから、この子。
いつも通り、練習をして
リハーサルも入れつつ、グループ練習
私が踊るのは、BLACKPINKの曲
正直、私とまひろは期待されている
〜フェス当日〜
衣装に着替え、舞台裏で出番を待つ
衣装は思ったより露出が激しい
2人で見たときは驚いたよ
ワイワイと盛り上がる会場
まぁ有名で大きな大学だからか、
何より、
この人らがいるからか。
その中には脇がいて、やっぱりいつも通り
なんだ、気まづいの私だけじゃん
私の出番は、レペゼン地球→バンドサークル→私たち
だから、もうすっごい緊張
みんなの前で歌う脇は、楽しそうでかっこよくて
胸がドクンと波打つ
会場中に響く重低音が
人の声で呑まれてく
そしていよいよ、私たちの出番だ
会場が音楽に合わせて湧く
リズムに合わせて腰を揺らす
2曲を踊りおわると、会場全体から
拍手が鳴り止まない
素早くステージを出ていく
その後、フェスは大盛り上がり
無事に幕を閉じた
そして、まひろが言った通り……
'' 俺と遊ぼうよー! ''
'' ちょっと話があるんですー!! ''
'' おれもー! ''
'' あなたちゃーん!LI◯N交換しよー! ''
みんなが片付けが終わる頃、
私はナンパされたり告白されたり
とりあえずいろんな人に追いかけられていた
まひろはすごい圧でみんなを一瞬で追い払った
私は睨むなんてできなくて、
今追いかけ回されてる
すると、ぐいっと誰かに腕を引っ張られた
そしてその人の胸の中におさまる
ふわりと男っぽい香水の匂いがする
素早く、倉庫のようなところに入る
そして私を追っかけてた男の人たちが一瞬近くなり、
そしてすぐ遠くに消えてった
ガチャン
どうやら、私たち…
閉じ込められたらしい…
するとどんどん外が暗くなってく
危機感のなさと
疲れと絶望さに
ドアを叩く気力さえない
ふぉいも疲れてるんだろう
こくんこくんと頭を揺らす
私も眠たいし、寒いし
ピトッとふぉいにくっつく
触れたところが熱くなる
するとふぉいが手を差し出す
無理矢理、私の手を取り指を絡める
悔しいぐらいドキドキするけど、安心する
ふぉいの肩にもたれかかり、私は目をつぶってしまった
ふぉいside
まじで無理…
まじなんなん、閉じ込められて
寒い中2人とも薄着やし
あなたなんか寒そうやし
スーツのジャケットをあなたにかけると、
少し微笑んで俺の肩にすりすりとくっつく
思わず、触れてしまう
繋いだ手は本当にあったかくて、
小さくて、
愛おしくなった
女の子っぽい匂いや、長いまつ毛
細い足に、引き締まった体
無防備な寝顔
俺、ピンチ。☆
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。