第10話

秘密摘発班係の本当の役目
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2021/01/23 09:00


校長は彼らに20年前の出来事を伝えた後、こう言った。

校長
校長
人間には必ず秘密がある。だが、その秘密がありすぎては心が傷つく。秘密摘発班係にはあの時の私のように上手く秘密を聞き出し、対象者の心を軽くして欲しかったんだ

西園寺の手には少ししめっている花の刺繍が入ったハンカチが握りしめられており、城ヶ崎が彼女の背中に手を回している。

校長
校長
秘密摘発班係はあの時、河内さんが亡くなった時、私がやらなければならない使命だと感じたんだ。河内さんのような人を救うために。
椎名 湊
椎名 湊
秘密摘発班係は俺らにとっても、対象者となった人にも……大切な存在だったんですね。
依田飛颯
依田飛颯
校長、もう一年……我々に秘摘をさせていただけませんか?お願いします


依田は頭を下げた。
城ヶ崎 心春
城ヶ崎 心春
私からも、お願いします。
西園寺 舞音
西園寺 舞音
もっと……もっと、多くの人の力になれる秘摘を私たちで作り上げたいんです
椎名 湊
椎名 湊
お願いします


三人もそう言って頭を下げる。


校長
校長
分かったよ。君たちは今までの秘摘の中でもトップだ。もう一年……河内さんが残してくれたこの組織の本当の役目を知った君たちに仕事を全うしてほしい。
よろしく頼む。


校長も頭を下げた。


彼らは「はい」と声を揃えた。

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