……来なければよかった…
興味本位なんかであんなにいかにも来ちゃダメって
オーラ出てたのに
馬鹿だ。
こんな大きな斧を持ってる人間か怪異か分からないのを目の前にして生きて帰れるはずがない。
今日で私は命日なんだ…
便所座りまで出来たはいいものの、恐怖のあまり
腰が抜けてしまい立ち上がれず 逃げる事も
手を出すことも出来ず
ペタンと女の子座りになってしまい、
この状況に身を任せることしか出来なかった。
もうどうにでもなれだ…バチが当たったんだ……
殺すなら殺せ 早く殺してくれ…!!""
待っているこの時間が怖くて怖くて仕方がない。
そのデカさの斧で殺られるなら、苦しむ事もないだろう
……何?喋ってる…?
何か訴えかけられてるけど、
全く分からない… なんなら人間の言葉じゃない…
言葉というか、「音」みたい。
という事は 人間じゃない…怪異だ
もう見た目から分かるはずなのに、
怖かったからだろうか 私は人間だと思いたかった。
分かんない分かんないぞ…どうしよう……
むやみやたらに良い感じに返事をして
むやみやたらに愛想を振り撒いたとて
相手は"怪異"だ
人間が問うような言葉は話していないだろう…
もしかしたら今だって、首を切り落としていいか?
って聞いているのかもしれない…
考えれば考えるほど 頭が痛くなってきた……
同時に怖すぎて 目頭も熱くなり 視界が荒々しく
歪んで波立っている。
絶対泣かない私なのに、涙目になっていると考えると
1人でも恥ずかしい。
自業自得なのに、恐怖心が勝って思わず
どうにでもなれ思考でフードを深く被った怪異に
一蹴りした。
…カチャッッ……""
と鈍い音がコンクリートで仕上げられた
冷たく狭い部屋に響く
殺されるんだ…
瞼がヂリヂリと熱く痺れるくらい強く綴じるも
切られる事はなく、ゆっくりと力を抜き目を開けると、
その怪異は大きな斧を真横に置き
私の目線と一緒になるように屈んでいた。
身体のどこの部位を見ても傷一つ
ついていなかった。
害も及ぼされていない…
すると、ぽすぽす…
と冷たい手が私の頭に覆い被さって撫でる
私を落ち着かせてくれてるのだろうか、
それとも油断させているだけなのだろうか…
いやっ、怖いけどこんな状況で
疑っていては仕方がない。
不安だし嫌だけど、今の私は
彼の行動を信じるしかないんだ


……ん?


何でそんなに私とあなたを交互に手で…
……


縺ゅ↑縺は ""あなた""
遘は ""私""
………ってこと!?言葉を教えてくれてる…?
完璧に言えるかは分からないが、見様見真似で
それとなしに似たような音とジェスチャーで
やってみることにした。
首を傾げながらフードを被った怪異と
同じやり取りを繰り返していると、
縺ゅ↑縺はあなた
遘は私
だと言うことが確実に分かった
そうそう と、無言で頷いてから
私に手を差し伸べ 話しながら今度は立たせたり、
肩を掴み 腰を下ろしを繰り返し
蠎ァ繧 , 遶九
も覚えさせてくれた。
その他にも、
蜈・繧檎黄 や 髻ウ
譏弱°繧 に 繝峨い
蠎 、 螟ゥ莠 、 螢
髢九 、 髢峨∪繧
……とりあえず部屋の中にあるもの一式
教えてもらって着々と時間は過ぎていった。
そう言えば、この場所には「時間」という概念は
あるのだろうか……
うん、どう考えても…無さそうだな。
……今は言葉教えてくれてたし
優しいから忘れてたけど、

私より2倍ほど大きな背丈…その身長にに釣り合う
大きな斧を持ってる限りは、やはり私の気が気でない。
警戒心は忘れないようにしないと…
えっ、
着いてきてくれないの?
この美少女に一人で旅をさせる気…!?
可愛い子には旅をさせよなんて諺があるけど
さすがにこんな場所でそんな諺は似合わないって、、
出口を見つけて今すぐここから立ち去りたいけど、
現状的には進退両難(※どうにもこうにもならない)
……よね
とりあえず、しばらくの間は
ここで探索し続けるしかないか…。
ドアを開けた先が暗いと行く気にはならないな…
一つだけ電気点いてるけど、不気味すぎる。
後ろをチラッと見るからに、
やはり 彼は「私に手を出すことはしない」
___とでも意思表示をしたいのか、
充分に私との間に距離を置いているように見える。
まだ、100信じられる訳ではないけど、
多少なりとも彼は信じてもいいかもしれない。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。