第7話

#7
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2026/06/20 12:00 更新
サカキ
サカキ
急にどうした?何かあったか?
視点/翠
サカキは俺をソファーに座らせると
コーヒーを入れてくれた。
いつも俺はサカキの手を焼かせていたはずなのに
今も優しい眼差しで俺を見る。
翠
いや…別に。
何も無い…
サカキ
サカキ
特に用も無く私の家に尋ねてきたわけか。
キッチンから声がする
我ながら、的を得た回答だ
サカキの家を訪ねる権利なんざ
俺にはない。
普段顔を合わせることが無いから
いつも口実を作って来ていた。
でも今日は、その口実を用意する余裕もなかった
サカキ
サカキ
別に用が無くとも来ればいいからな,
俺が言葉を探しているのに気がついたのか
サカキは俺の隣に腰掛けて
抵抗もなく嬉しいことを言った。
きっと誰にでも見せる優しさなんだろうな
そう思うと素直に喜べない
翠
なんだそれ。 俺を暇人だとでも思っているのか?
つい、きつい言葉を吐いてしまう。
サカキ
サカキ
それなら…翠は暇で無いのに
何も無い私の家に来た…という事か?
そういい終わった後、俺の顔を覗き込んでくる
…やめてくれ
あんな事を言われた後…近づかれたら
嬉しくなってしまう。期待してしまう。
翠
そうやって人の揚げ足を取るの、やめた方がいいぞ?
直ぐに素直になることは出来なくて
心に思っていないことを言ってしまう。
サカキ
サカキ
翠が嬉しいことを言ってくれるからな。
サカキは俺の頭を撫でる。
不覚にも大泣きしてしまった日と同じで
その手からは優しさと温もりが伝わってきて…
こいつの手は、情緒不安定な俺の心を
癒す能力があるのか?
そう思った。
それでも俺の口から出る言葉は
翠
…ドMかっ!
サカキを責める言葉ばかり
だけども、そんな言葉に動じる事も無く
あいつは話を続けた。
サカキ
サカキ
翠。本当は悩みがあったんだろう?
聞いて欲しかったのでは無いのか?
落ち着いたみたいなら良かったが…
…結局、俺の心は見透かされていた
サカキへの想いもバレてしまうのではないか
と心配する程だ。
それでも、サカキと他愛のない話をするだけで
こんなに癒されるなんて
…人を本気で好きになるって
こんなにも心が揺さぶられるなんてー…
俺は本当の恋を知らなかったんだ…
翠
お前と話していたら
悩んでいた事、馬鹿みたいになった。
サカキ
サカキ
それなら良かった。
そう言ってわしゃわしゃと俺の髪を撫でる。
時計を見ると20時を超えていた。
翠
長居してしまった すまない。
飲み物も ありがとう。
翠
コップ、片付けるぞ。
そう言い、席を立とうとすると
急に腕を掴まれソファーに戻された。
サカキ
サカキ
夕食、食べていかないか?
あるものでしか作れないが…
パスタはどうだ?
唐突な提案に頭が追いつかず
翠
ありがとう。
と話すので精一杯だった。

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