第51話

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2025/03/22 02:00 更新
【昆奈門side】
「しら、、かしら、、、くみ...しら、、」

声が聞こえる、、よく聞いていたあの声。

「しら...組頭っ!」
雑渡昆奈門
っは、!
「組頭っ!」
雑渡昆奈門
尊...奈門
諸泉尊奈門
あぁ、良かった組頭!気が付きましたか!
雑渡昆奈門
いっ、ここは...
諸泉尊奈門
お忘れですか?組頭の私室です
雑渡昆奈門
え、私信号待ってた...
諸泉尊奈門
しんごう??なんですかそれ...
雑渡昆奈門
え、いやだって、、車に突っ込まれて
諸泉尊奈門
くるま??
雑渡昆奈門
え...
そうだ、ここに尊奈門が居る時点でおかしいんだ。

さっきまで私はあなたと居た。
あなたと信号待ちしてて、ブレーキが間に合わなかった車が居て...
あなたの方に突っ込んで来たから咄嗟に私が庇って...
雑渡昆奈門
あなたは...
諸泉尊奈門
あなた...とは?
そうか、あなたはこちらには来なかったのか。
雑渡昆奈門
いや、なんでもない。
それより、私詰所に戻ったっけ?
諸泉尊奈門
あ、そうでした!
実は先日の忍務後に組頭からの連絡が途絶え、我々狼隊と黒鷲隊の押都小頭と探しに行った際、忍務先近くの谷底に組頭が倒れてるのを発見し、急いで詰所まで運んだ次第です!
雑渡昆奈門
谷底に落ちた...
何月前?
諸泉尊奈門
何月...?
やだなぁ組頭、そんなに日は経ってませんよ?
諸泉尊奈門
組頭から連絡が途絶えたのが3日前。
組頭を探しに出たのは昨日ですよ
雑渡昆奈門
え、五月いつきじゃなくて?
諸泉尊奈門
はい
まさか、夢だと言うのか?

私があなたに出会って、レイワで生活するようになって五月は経っているはずなのにこっちでは3日?

服は取り換えられていて、寝巻きになっている。
先程まで身につけていた、レイワの服じゃない。
そして文机。置いた記憶のないものがある。
尊奈門が『小頭と高坂さん呼んできます!』と退出したところを見計らって机に近づく。

そこにはあなたと忍者屋敷に行った際帰りに買った苦無のキーホルダーが置かれてあった。
これだけ唯一持ってこれたみたい。

手に取ると涙が溢れてきた。
とうの昔に無くしたはずの感情が今更戻ってきた。

会いたい、あなたにまともな別れもできなかった。
最後に会って話したい、最後に思いだけ伝えてきたら良かった。
雑渡昆奈門
本当馬鹿だ...
ドタドタドタ

スッッパァン!!!
高坂陣内左衛門
組頭!!!!!!
雑渡昆奈門
陣左
諸泉尊奈門
高坂さん壊れますって!
山本陣内
組頭...
押都長烈
組頭...!
雑渡昆奈門
陣内、押都
山本陣内
良かった...組頭、お怪我は?
押都長烈
痛いところはございますか?
雑渡昆奈門
見ての通り元気だよ
高坂陣内左衛門
よ゙がっ゙だで゙ず!!!
諸泉尊奈門
ちょ、高坂さん鼻水っ!
山本陣内
おや、組頭...包帯が濡れておりますが...
雑渡昆奈門
いや、、なんでもないよ
山本陣内
左様ですか
雑渡昆奈門
尊奈門から聞いたよ、忍務の期間と音信不通が3日間。
心配かけたね
山本陣内
本当ですよっ!
雑渡昆奈門
え、ちょ、陣内?
山本陣内
あなたと連絡が途絶えて、我々がどれだけ心配したことか...!
本当に、、馬鹿だ...お前は、すぐ無理をする...
雑渡昆奈門
ごめん
山本陣内
谷底で倒れてるの見つけた時は肝が冷えた
雑渡昆奈門
本当ごめんなさい、、
山本陣内
お願いだ、無理をしないでくれ...
雑渡昆奈門
うん
押都長烈
とりあえず、組頭の意識が戻ってよかった。
組頭、しばらくは安静に
雑渡昆奈門
迷惑かけたね、押都
押都長烈
いえ
諸泉尊奈門
あれ、組頭それは...?
雑渡昆奈門
あぁ、これ?
高坂陣内左衛門
苦無の形をした物のようですね
押都長烈
なにかの武器か?
雑渡昆奈門
...ふふ、内緒
山本陣内
目印、、のような?
雑渡昆奈門
ま、そんな感じかな。私の宝物だよ
山本陣内
そうですか
雑渡昆奈門
というかお前達、ここに居ていいの?
仕事や忍務は?
「あっ」
高坂陣内左衛門
尊奈門が焦って呼びに来るから、忘れていたじゃないか!
諸泉尊奈門
ええっ!私のせいですか!?
山本陣内
考えずに走って来た我々もどうかと思うが...
押都長烈
とにかく、我々はもう行きます。
組頭は安静に
雑渡昆奈門
うん、ありがとうね
山本陣内
何かあったら直ぐにお呼びください。
殺気なりなんなり出せば誰か来るでしょう
雑渡昆奈門
ん、わかった
心配...ちゃんと探してくれたんだ。
ありがたいな、みんな...いい部下を持ったよ。

そうだ、部屋に置いてる物にはあなた気づいたかな。
スマホがないから連絡送れないし、何も出来ないけど...
でも、存在していた・・・・・・という事実が残っていたら見てるだろうな。

あなたにまたいつか会えますように
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝

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