第13話

談笑
50
2026/09/06 16:41 更新
乾さんがお昼に行ってからどのくらいが経っただろうか。

傷口の痛みが引いてくる。
伸びをしたり、スマホをいじったりしていると、あっという間に30分が経つ。

寝るにも起きれなくなるしな…と考え、寝ることはしなかった。


そろそろココアが飲みたい。

そう思い立ち上がろうとする。

すると、シャカシャカと音がしながら誰か歩いてくる。


乾
立てますか?
手、使ってください。
どうぞ、と手を差し出す。
来るとは思わず、つい目を丸くした。

彼が早く手を取れと言わんばかりにこちらを見つめる。

押し切られた私は、その手を取った。

あなた
…ありがとう、ございます
乾
あんな状態なら立てないかなと思ったんで笑
あなた
うぅ…
たしかに、彼が来ていなかったのなら私はちゃんと立てれたかと言えば怪しいと思う。
そう思い口がごもる。
なにかを言いたかったわけではなかったが。

立ち上がり、私はココアが飲みたい気分であったので休憩スペースに向かう。
乾
ココア、ですか?
歩きながら乾さんが言う。

なんでわかったんだろうか。
…超能力者?
なんてありえないことを考える。
あなた
そう、ですね。
ココアが飲みたいです
乾
さっきコンビニで買ってきたんで、よかったらどうぞ
乾
あ、ブラックサンダーも少し、ですけど笑
そう言いながら彼は持っていたビニール袋を渡す。
あなた
え、いいんですか??
乾
どうぞ
早く怪我治るといいですね
あなた
もしよかったら…
乾
はい、
あなた
一緒に、、、どう、ですか?
気づいたら誘ってしまっていた。

なぜ誘ったかもう覚えていない。
一人なのが少し、寂しかったから…とか。

断られるんだろうな、とか思っていたのに。
乾
いいですよ
少し、話してみたかったですし
あなた
ありがとうございます!
まさかのOKですこし驚いたが、嬉しくなった。

休憩スペースに着き、いつもの席に着く。乾さんは隣に座った。
乾
ブラックサンダー、苦手だったりしますか?
あなた
いや、めちゃめちゃ好きなんです
あなた
あ、それと先輩ですし、敬語じゃなくていいんですよ…?
乾
じゃあ遠慮なく
乾
よかったー苦手とかじゃなくて
あなた
なんでココア好きってわかったんですか?
乾
ぜんぜんこっちも敬語じゃなくて大丈夫だよ
この前、自販機の前であったときココアの缶持ってた気がして
あなた
善処します…
あの時見られてたんだ…
乾
うん笑
そういえばいつもここを使ってるイメージなんだけど、外で食べたりしないの?
あなた
んー
ここが気に入ってるのが一つかな…
乾
最初会ったときも、空がきれいだからとか言ってたけど、空が好きとか?
あなた
うん。
ここの空が好き。
あなた
空の感情を見るのが面白いんだよね
乾
空の、感情…?
乾
なんか、小説家みたいだね
あなた
んー、、難しいんだけど、空が笑ってたりするんだよね。
毎日見てればわかるというか…
乾
毎日か…
一緒に、ってこと?笑
あなた
からかってますよね…
乾
ばれた笑
あなた
小説は、コツコツ書いてますね。
ちょっとづつですけど。
乾
そうなんだ、どんなの書いてるの?
あなた
えっと、、
あなた
恋愛ものです。
主人公である少女の持病が、少しづつ砂になっていくっていう病気で。
そんな中で主人公が恋をしてしまうんです。命はそんなにも長くはないのに。
その主人公の物語、です
乾
…題名は?
あなた
内緒、です
乾
できたら、読んでみたいな。
…今度教えてよ
あなた
考えときますね
乾
買ったらサイン頂戴?
あなた
いいですよ笑
乾
わーい
他愛もない話をしながらココアを飲んでいく。

こんな時間が続けばいいのに、と思ってしまう。
それから、好きなもの、苦手なものは何か、などを話した。

今週で一番の思い出になるだろう。

そう思いながらこの時間をじっくりと楽しんだ。

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