四日目の朝。
少し痛みが引いてきた。
ゆっくりと体を起こし、病院に行く準備をしていた。
荷物の確認をして、車までのろのろと向かった。
車に着きエンジンをかける。
ひさしぶりの車。近くの病院へのナビをセットし、出発した。
病院に着き、受付を済ませる。
今回は抜糸をするのだそうで。
自分の番になるまで腰を下ろし、スマホを開く。
あなたの名字さん、と呼ばれる。
呼ばれたところへ行き、説明を受けて早速始まった。
あっという間に終わり、もう一度ガーゼと包帯を巻いて貰う。
だいたいは治ってきているが、まだ完治はしていないらしく、まだまだ安静にするように。とのこと。
仕事はもう大丈夫だろうと言ってくれた。
また傷痕がふえるのかという思いを頭の片隅でふとよぎる。
とりあえず、先生にはありがとうございました、と伝えて診察室をでた。
お金も払い終わり、家へと帰宅した。
案外サクッと終わり、時間を持て余す。
頭の中を駆け巡っていた言葉を吐き出す。
言ってなにかかわるかと言えば何も答えられないが、とりあえず口に出してみる。
そういえば、昼を食べようかななど思い、車で行けるカフェを探した。
チェーン店のカフェを見つけ、入る。
いつもならばココアなのだが、今日の気分は抹茶オレだった。
抹茶オレを一つ注文し、時間を流していく。
ここの抹茶オレがおいしかったので、スマホに今いるカフェの名前をメモする。
どうせなら椿もつれてこようかなと考えながらお店をでた。
翌日。
傷ついた体を引きずって出勤する。久しぶりの会社を目の前に少しひるんだ。
いつものように会社に入り、デスクに着いた。
逢沢先輩に教えてもらい、その人のもとまで行くが、そういえば肝心の顔を覚えていない。
知らなければ聞けばいいので広報部である坂本に聞こうとしたら、彼がいない。
どうしようかとあたふたしていたら、声をかけられた。
声をかけられたので声のした方向を向くと、言君だった。
本物を前にして少しうろたえる。
だが、同じ会社で働いている身。そんなことでうろたえていたら、と思うが、平常心を保つのは至難の業だ。
私がうろたえていることがばれていないといいなと思っていたら、言君があの人だよ、と教えてくれた。
ありがとうございます
と言いながら会釈をして、その人のもとへ行き診断書を渡してからすぐに立ち去った。
私の心の中は、憧れの人と話せたという喜びと、なぜ坂本はいなかったんだ、という恨みを交互に波打っていた。
坂本、あとで覚えておけよ
と、心の中に刻んだのであった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。